2003 Fiscal Year Annual Research Report
流れと伝熱の数値シミュレーションのための粗面乱流モデルの構築
Project/Area Number |
15560155
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
三宅 裕 福井工業大学, 教授 (50029005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 康美 福井工業大学, 教授 (90160861)
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Keywords | せん断乱流 / 粗面 / 数値シミュレーション / 粗面モデル / 半球抗力 / 円管乱流 |
Research Abstract |
本研究は複雑な固体境界面上を流れる乱流の数値シミュレーションのために、適切な固体面の簡略化モデルを構築することを目的としている。 このために、平成15年度では主として二つの問題を取扱った。 一つは、任意形状粗さでなく、簡単で明確な形状の粗さ要素を持つ粗面について、粗さの流れに対する影響を調べた。任意形状粗さをこれらのデータを用いてモデルに再構成するためである。代表的な形状として半球を選び、平面上の単独半球、規則的に分布する半球群の場合について、数値シミュレーションによって流れを解いた。その結果、1)単独半球の基礎流れ(単純せん断流)に対する付加抗力のレイノルズ数依存性が定式化された、2)低レイノルズ数では半球周りの流れは一様流中の球の周りの流れと相似なるが、高レイノルズ数では圧力抗力がはるかに支配的となって渦系が壁の影響を強く受けるようになること、3)低レイノルズ数で粗さ効果が現れないのは粗さ要素の存在が壁面摩擦抗力を低下させ、半球の抗力の増加と相殺するためであることなどが明らかになった。 もう一つの問題では、粗さ要素の抗力増分を、面上の三次元要素としてでなく、全抗力を面上の摩擦抗力に置き換える、二次元粗面モデルを考案し、これを用いた離散要素法を提案した。この問題では上述の半球の抗力の定式を用いて、円管内乱流を解いた。粗面円管流は精度の高い実験が幾つか報告されており、実験との比較が可能であるからである。結果はほぼ満足であったが、とりわけ粗さ要素群の場合について、抗力の評価になお、精度を要することが明らかとなり、次年度以降により精密な高レイノルズ数域での数値シミュレーションを行う。 このほかに、近年のナノ・テクノロジにおけるマイクロ管の流れの重要性に鑑み、面の粗さの影響を調べる目的で、マイクロ管の研究状況を調査してレヴューをまとめた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 三宅 裕, 藤井貴広: "マイクロ管の熱流動(1)"機械の研究. 55・9. 921-929 (2003)
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[Publications] 三宅 裕, 藤井貴広: "マイクロ管の熱流動(2)"機械の研究. 55・10. 1049-1055 (2003)
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[Publications] 三宅 裕, 藤井貴広: "マイクロ管の熱流動(3)"機械の研究. 55・11. 1150-1155 (2003)
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[Publications] 藤井貴広, 三宅 裕: "平板上に置かれた半球周りの流れと伝熱"2003Fluentユーザー会講演論文集. 293-297 (2003)
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[Publications] 三宅 裕, 藤井貴広: "粗面乱流の平面離散要素法モデル"第17回数値流体力学シンポジウム講演論文集. No.A4-1(CDR0M). (2003)
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[Publications] 藤井貴広, 三宅 裕: "平板上に置かれた半球周りの流れと伝熱"福井工業大学紀要. 34. (2004)