2004 Fiscal Year Annual Research Report
積層大口径ウエハ均一薄膜形成のたの放射熱物性計測とガス流動解析に関する研究
Project/Area Number |
15560164
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菊田 和重 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90214741)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近久 武美 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00155300)
|
Keywords | CVD / シリコンウエハ / ガス流動 / 可視化 / 放射熱物性 / 薄膜 / LPCVD / 希薄ガス |
Research Abstract |
積層型LPCVD(Low-Pressure Chemical Vapor Deposition)におけるシリコンウエハの高速かつ均一な薄膜形成に関し,希薄原料ガスの流動が成膜に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,装置を模擬した可視化実験装置による希薄ガスの可視化実験を行ったほか,数値シミュレーションによるガス流動解析を行った.一方,成膜時のウエハ温度および膜厚制御に必要な放射熱物性に関して,FT-IRによる各種成膜ウエハの放射熱物性計測も併せて行った. 昨年度までの研究において減圧場での可視化計測に成功しており,可視化実験結果と数値シミュレーション結果が良好に対応することが確認できた。本年度は数値シミュレーションにより積層型LPCVD装置内のガス流動について詳細を明らかにしたほか,ガス流動がシリコン薄膜形成に及ぼす影響について検討を行った.その結果,高速成膜を行うために数百pa程度まで圧力を高めた場合には,従来の数十pa程度における原料ガスの分子拡散支配で均一化していた成膜とは異なり,ガス流動の影響も強く受けることが明らかとなった.ガスは装置内の流動抵抗の小さな所に流れ込むので,装置内にある多数のウエハに均一に成膜を行うためには,各ウエハ面上にガスが均一に流れるように装置内の流動抵抗を決定する必要がある.また,ウエハ面上のガス流動についても低圧による動粘性の高い低Re数流れとなるので,個々のウエハ面上に均一に成膜を行うためには粘性を考慮したガス供給方法が必要になることも明らかとなった. 一方,各種成膜ウエハの放射熱物性計測では,600℃と900℃における成膜のされていないウエハ(bare)と膜種・膜厚の異なったウエハとの比較を行った.昨年度までに酸化膜および窒化膜付ウエハの放射特性の評価を終えたので,今年度はシリコンの多結晶膜(ポリ膜)付きウエハの計測を行った.その結果,酸化膜や窒化膜付きウエハとは異なり,膜厚が厚い方が計測波長域において放射強度が低下することが明らかになった.これらの特性を利用することでプロセス中での膜厚を計測できる可能性があるものと考えられる. 以上,本年度までの研究により積層LPCVDにおけるガス流動が成膜に及ぼす影響ならびに各種成膜ウエハの放射特性について明らかにすることができた.
|
Research Products
(5 results)