2004 Fiscal Year Annual Research Report
自然冷媒のアルミニウム表面処理管上の凝縮熱伝達に関する実験
Project/Area Number |
15560174
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
井上 順広 東京海洋大学, 海洋工学部・海洋電子機械工学科, 助教授 (80251677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五島 正雄 東京海洋大学, 教授 (90016957)
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Keywords | 自然冷媒 / 接触角 / 光触媒 / 撥水 / 親水 / 凝縮 / 熱伝達 / アルミニウム |
Research Abstract |
現在、冷凍空調機器に多く用いられているHCFC系冷媒は、CFC系冷媒に比ベオゾン層破壊係数は格段に小さいものの皆無ではない。そのため、オゾン層破壊係数が零であるHFC系冷媒への転換が進められてきたが、HFC冷媒は地球温暖化という側面から見ればCO_2に比べて極めて大きな温暖化係数を有しており、京都議定書の発効により温室効果ガス排出抑制のための方策が思案されている。 そこで本研究では、アルミニウム管に撥水性および親水性の表面処理を施した伝熱管を試作し、その撥水・親水性効果の凝縮伝熱における促進効果を純水・エタノール・HCFC123などの熱物性等が異なる物質に対し実験的に検証した。また、アルミニウム管等に施した撥水・親水性表面処理について試験板を作成し、静的接触角.・動的接触角・転落角を測定によって、各表面処理の効果を定量的に測定し、以下の結論を得た。(1)静的接触角は、表面仕様にかかわらず試験流体の表面張力が大きくなるにともない大きくなる。撥水性表面処理試験板の静的接触角は、純水およびエタノールの場合はAL4およびCu4、アンモニアの場合はAL4およびCuSの表面処理仕様が最も大きい値を示し、親水性表面処理試験板の静的接触角は、表面張力の差異や表面処理仕様に依らず、高い濡れ性を示した。(2)撥水性表面処理試験板の動的接触角である前進角および後退角は、純水の場合はAL4αおよびCu4、アンモニアの場合はAL4およびCuSが最も大きい値を示し、静的接触角とその傾向はほぼ同様であった。また、前進角は表面張力の差異に依らず、ほぼ一定の測定値を示し、後退角は表面張力が大きくなるほど小さい値を示した。(3)撥水表面処理試験板上の液滴は、流体の表面張力が大きくなるほど比較的少ない滴下量で流れ落ちる。アルミニウム撥水表面処理試験板の場合はAL4αおよびAL6、また銅撥水表面処理試験板の場合はCuS上の液滴が、比較的少ない滴下量で流れ落ちることが観察され、その表面処理効果の優位性が確認できた。(4)撥水性伝熱管は、表面張力が大きい純水の場合は滴状凝縮となり、凝縮面過冷度に対して高い熱流束を示し、凝縮熱伝達係数も高い値を示す。しかし、表面張力が小さいエタノールおよびHCFC123の場合は、いずれの撥水性表面処理伝熱管も膜状凝縮となり、水平円管に対する物Nusseltの値と一致し、その優位性は確認できなかった。
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Research Products
(3 results)