2003 Fiscal Year Annual Research Report
溶存ガスを管理した銅円管内水の強制対流サブクール沸騰限界熱流束の研究
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15560180
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畑 幸一 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助手 (60115912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩津 正博 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20027139)
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Keywords | 強制対流 / サブクール沸騰限界熱流束 / 円管試験発熱体 / 表面アラサ / 溶存酸素濃度 / ダイバータの最高熱負荷 / 理論解析コード / 銅ベース合金円管試験発熱体 |
Research Abstract |
1.溶存ガスを管理したSUS304薄肉円管試験発熱体を用いた強制対流サブクール沸騰限界熱流束実験 発熱体内径d=3mmで長さL=67mm(L/d=22.3)のSUS304薄肉円管試験発熱体を用い、出口圧力P_<out>=800kPa、入ロサブクール度ΔT_<sub, in>=145K(入口液温T_<in>25℃)、流速u=4〜13.3m/s、自己蒸気加圧した条件で溶存酸素濃度を6.59ppm(ほぼ飽和状態)から0.0265ppm(十分脱気し溶存ガスをなくした状態)の範囲で、接液部の表面状態がラフ面(大気中で焼鈍後、酸化物を酸洗い除去)の発熱体について、発熱率を準定常的にゆっくり連続的に上昇させて核沸騰熱伝達及び限界熱流束CHFを求め、CHFに及ぼす溶存ガスの影響を明らかにした。窒素ガス加圧した条件で求めた実験結果に基づいて定めた限界熱流束表示式と比較検討し、実験結果はこの広い溶存酸素濃度範囲で限界熱流束表示式から求まる値とほぼ一致しているが、低溶存酸素濃度で高流速域において、CHFが減少する傾向が観察された。更に、初期気泡発生が遅れると考えられる表面アラサが細かいスムース面(水素雰囲気中で熱処理)の発熱体を用い、溶存酸素濃度0.1ppmと0.0413ppmにおいて同様の実験条件で限界熱流束を求めた。スムース面のCHFは、低溶存酸素濃度で高流速域においてラフ面よりも小さくなる傾向が観察された。これらの理由として、溶存酸素濃度又は表面アラサが小さくなると核沸騰勢伝達が悪くなり、発熱体表面温度が不均質自発核生成温度近傍に移行し、CHFが低下することが考えられる。 2.Flat PlateタイプMono-blockダイバータ実験に対する熱流動理論解析 ロシアのDivavin等が角型で銅製の2列の試験部の間に薄膜ヒータを挟み込み電気加熱することで行った片面加熱条件の限界熱流束実験(Flat PlateタイプMono-blockダイバータ)に対して、一様加熱条件の実験結果を用い既に開発済みの理論解析コードで数値解析を詳細に行い実験結果と比較検討した。数値解析結果は、多少低めであるが実験結果のダイバータの最高熱負荷の傾向をほぼ予測した。 3.間接一様加熱高熱流束銅ベース合金円管試験発熱体を用いた強制対流サブクール沸騰限界熱流束実験 最近、間接一様加熱高熱流束銅ベース合金円管試験発熱体を作製する過程で、電気絶縁膜(酸化アルミナ)上に金属膜発熱体を蒸着した場合に絶縁劣化の起こる原因が解明された。現在、新たな電気絶縁膜と銅チューブについて耐熱試験が行われ、良好な結果が得られた。内径9mm、長さ70mm、厚さ1mmのアルミ分散強化銅チューブの外表面に薄膜絶縁体と金属膜発熱体の2層を付加した特別な銅べース合金円管試験発熱体を作製した。この試験発熱体の金属膜発熱エレメントを電流加熱する方法で、高圧、高サブクール水の強制対流下における銅ベース合金円管試験発熱体内面の核沸騰熱伝達及び限界熱流束を実験計測する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Hata, T.Tanimoto, H.Komori, M.Shiotsu, N.Noda: "Critical Heat Fluxes of Subcooled Water Flow Boiling against Inlet Subcooling in Short Vertical Tube"Proceedings of ICONE11-36116. 1-11 (2003)
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[Publications] K.Hata, T.Tanimoto, H.Komori, M.Shiotsu, N.Noda: "Thermal Analysis on Mono-block Type Divertor Based on Subcooled Flow Boiling Critical Heat Flux Data against Inlet Subcooling in Short Vertical Tube"Proceedings of ICONE11-36118. 1-10 (2003)
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[Publications] K.Hata, H.Komori, M.Shiotsu, N.Noda: "Critical Heat Flux of Subcooled Water Flow Boiling for High L/d Region"Proceedings of NURETH10-C00207. 1-13 (2003)
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[Publications] K.Hata, H.Komori, M.Shiotsu, N.Noda: "Influence of Dissolved Gas Concentration on Subcooled Water Flow Boiling Critical Heat Flux in Short Vertical Tub"Proceedings of ICONE12-49194. 1-10 (2004)