2004 Fiscal Year Annual Research Report
安定性を損なわない鉄道車両のアクティブ操舵方式と走行安全性
Project/Area Number |
15560197
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷藤 克也 新潟大学, 工学部, 教授 (30197529)
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Keywords | 鉄道 / フランジ乗り上がり / アクティブ操舵 / 曲線通過 / 脱線係数 / 走行安全性 / 数値シミュレーション / 模型実験 |
Research Abstract |
転走試験台上の1軸台車模型に横方向に増大する外力を加えることにより,車輪がレール上に滑り上がる実験を継続した.シミュレーションによる滑り上がり状況の模擬との対応を近づけるため,解析モデルの自由度としてロールを加えた結果,脱線に至るまでの作用力の大きさは,実験とほぼ同じになり,車輪軸モデルとしてフランジ乗り上がりの解析に使用できる見通しが得られた.今年度までに検討した滑り上がり脱線に関しては,脱線に要する横方向の外力の大きさに対するアタック角の影響は小さなものであり,そこには車輪軸のロールが関与していることが確認された.走行安全性として本来の対象であるフランジ乗り上がりの状況を実験するため,左右の車輪荷重に差を生じさせるための機構を製作し,1軸台車模型に付加した.現在,調整のための転走を行っている. 次に,車輪軸をアクティブに操舵する車両について曲線通過性能をシミュレーションで検討を続けた.曲線外軌レールの継目部で生ずる輪軸横圧の効果的低減をめざし,操舵の遅れを改善するために自己操舵性も利用する可能性を試みた.その結果,1.踏面勾配の増加により低下する走行安定性は,操舵機構中の補助ばね(アクチュエータの取付けゴム)剛性の適値選択で回復することができる.2.踏面勾配を大きくすることにより,基本の通過速度を超えてある程度の速度までは前軸の輪軸横圧ピーク値を低減させるものの,さらに速度が向上すると,後軸で輪軸横圧ピーク値が増大する傾向が認められる. また,急曲線の通過特性改善を目的に,ダイレクトドライブモータを利用する独立車輪車両を前提として,左右車輪間の駆動トルク差を利用したアクティブ操舵についてシミュレーションによる検討を行い,前・後軸を同方向に操舵する方式の有効性を示した.
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Research Products
(5 results)