2003 Fiscal Year Annual Research Report
強非線形振動系に対する平均法の高性能化に関する研究
Project/Area Number |
15560202
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
岡部 匡 宮崎大学, 工学部, 助教授 (00185464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 孝広 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80136522)
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Keywords | 非線形振動 / 平均法 / ヤコビの楕円関数 / 安定判別 / Duffing方程式 / 2次ばね系 |
Research Abstract |
非線形振動系に対する代表的近似解法である平均法は、基本的に弱非線形系を対象とした解法であり、系の非線形性の増大とともにその精度は悪化することは周知である。本研究では、この平均法の高性能化を目的として、平均法の母解にヤコビの楕円関数を利用した高性能平均法(楕円平均法)の開発を行う。本年度の研究においては、以下のような知見を得た。 1.単項型楕円平均法の開発:非線形振動系の代表的モデルであるDuffing系および2次ばね系に、強制力項、非線形減衰項、非線形復元力項から構成される任意の摂動項が付与された強非線形振動系を解析対象として、その定常解を単一項のヤコビの楕円関数(sn関数、cn関数、dn関数)を母解として利用する単項型楕円平均法を開発した。 2.結合型楕円平均法への発展:単項型楕円平均法をさらに発展させ、より高性能な振動解析手法の開発を行うため、異なったヤコビの楕円関数の結合関数を母解とする結合型楕円平均法の計算理論を構築し、定式化までを完成させた。 3.安定判別法の検討:本手法で得られた近似解に最適な安定判別法の検討を行った。平均化方程式を利用した安定判別法、フローケの定理を用いた無限小安定判別法の2種類の方法の適用を試みた。本手法の安定判別法としては、フローケの定理を用いた無限小安定判別法が有効であるとの結論を得た。 4.本手法の適用範囲の確認と有効性の検証:開発した単項型楕円平均法を種々の強非線形振動に適用し、実際の数値計算をとおして、本手法の適用範囲と信頼性を確認した。高精度数値解法であるシューティング法による数値解との比較を行った結果、本手法による近似解は、従来の平均法による近似解に比較して定性的かつ定量的に極めて良好な結果が得られ、高精度な近似解を求め得ることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)