2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工心臓用高効率セルフベアリングモータのセルフセンシング制御に関する研究
Project/Area Number |
15560214
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
松田 健一 茨城大学, 工学部, 助手 (30302326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 養二 茨城大学, 工学部, 教授 (90007774)
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Keywords | 人工心臓 / セルフベアリングモータ / 磁気軸受 / セルフセンシング / 差動トランス / パルス幅変調 |
Research Abstract |
人工心臓用のアクチュエータとして、セルフベアリングモータの適用が提案されている。人工心臓として用いるセルフベアリングモータは、高効率で低エネルギー消費、低発熱であるとともに、コギングトルクを抑え安定な浮上制御を実現できるように、ギャップ磁束分布がより正弦波に近くなるような永久磁石の配置が望ましい。また,セルフベアリングモータは,能動制御型のシステムであり、フィードバック制御のためのセンサを必要とするが、より小型化のためにセルフセンシング制御の実現が望まれている。 本研究で用いるIPMロータは、主磁極方向であるd軸方向の磁束は通りにくいが,これと直行するq軸方向は磁束が通りやすいというインダクダンスの突極性により,ロータが回転するとセルフセンシングがうまく出来ないという基本的な特性がある。さらに,IPMモータの低コギング、低トルクリップル化という観点からも,d軸とq軸のインダクタンス差の少ない,セルフセンシング可能なロータ構造と永久磁石の配置が重要である。そこで,有限要素法を用いた磁場解析を行い,より正弦波に近いIPM磁極構成を持つ薄型セルフベアリングモータの試作を行った。 さらに,より精度の高い安定したセルフセンシングを行うために,全波整流型の新たな検波方式や差動出力の非線形特性を補償するセルフセンシング手法を新たに提案した。この新方式の有効性を確認するために、永久磁石内臓のハイブリッド磁気軸受装置を試作し浮上回転実験を行った結果、干渉のほとんどない静特性が得られ,回転電圧が飽和する6,000RPMまでの安定した浮上回転に成功し、セルフセンシング制御の実現に向けて大きな成果が得られた。 今後は、この新たなセルフセンシング方式の信頼性を高め、人工心臓用のアクチュエータとして使用可能なIPM型セルフベアリングモータの研究開発を継続していく予定である。
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Research Products
(4 results)