2004 Fiscal Year Annual Research Report
非完全拘束型パラレルワイヤロボットの制御手法の確立
Project/Area Number |
15560221
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 元司 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (90202390)
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Keywords | パラレルワイヤロボット / 非完全拘束型 / 懸垂物状態測定装置 / 状態推定オブザーバー / ワイヤ振れ角 |
Research Abstract |
本研究で提案している非完全拘束型パラレルワイヤロボットの制御方式では,懸垂物の状態を用いて動力学計算をおこなっている. したがって提案手法では懸垂物の位置と姿勢を実時間で正確に測定・推定する必要がある.そこで,今年度はパラレルワイヤロボットの懸垂物の精度の良い実時間位置検出手法の開発をおこなった. 具体的にはワイヤのプーリーからの引き出し点付近において,ワイヤ振れ角をエンコーダにより検出し,懸垂物の状態を測定する機構を開発した.また,推定誤差をできるだけ小さくするため,懸垂物の運動を支配する状態方程式を用いて状態推定オブザーバーを構成する手法を提案した. 開発した懸垂物状態測定装置と提案した状態推定手法の有効性を確認するため,現有のパラレルワイヤロボット実験装置にワイヤ振れ角検出機構をつけたうえで,この実験装置を用いて懸垂物の軌道追従制御実験をおこなった. この結果,シミュレーション結果との良い整合性が確認され,提案した制御手法と懸垂物状態推定手法の有効性が確認できた. パラレルワイヤロボットのような非完全拘束型ワイヤ懸垂位置決め機構の調査をおこなった.この結果,天井走行型クレーン機構,コンテネナレーン,空調ダクト清掃ロボット,旋回クレーンの機構が非完全拘束型のワイヤ懸垂機構であることがわかり,これらの機構に対して提案手法の適用を検討した. 特に,ビル内の空調と換気に用いられる空調ダクトを清掃するための遠隔操縦型ロボットシステム(空調ダクト清掃ロボット:研究代表者により開発)においては,空圧ホースを複数ワイヤで拘束し制御する機構であり,これは一つの非完全拘束型ワイヤ位置決め機構である.したがって,本研究で開発したワイヤ拘束機構に対する運動学,動力学解析手法を適用し,このロボットシステムの動作解析をおこなった.
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Research Products
(6 results)