2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560225
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小林 博明 明治大学, 理工学部, 教授 (60130811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵頭 和人 神奈川工科大学, 助教授 (10271371)
田中 純夫 明治大学, 理工学部, 講師 (40287884)
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Keywords | 腱駆動ロボット機構 / 位置・力ハイブリッド制御 / 関節空間直交化法 / 厳密な入出力線形化法 / ZMP制御 / 腱駆動2足歩行ロボット |
Research Abstract |
腱駆動ロボット機構の(1)位置・力ハイブリッド制御器と(2)アーム部の厳密な入出力線形化に基づいた制御器について検討した。(1)については、有本等の関節空間での直交化法を用い、腱の柔軟性を用いてそれを目標モータ軌道に変換することで制御系を設計した。その安定性を証明し、有用性をシミュレーションによって実証した。次ぎに、それをニューラルネット制御器に拡張し、その軌道誤差及び力誤差がUUB(ultimate uniform bounded-ness)を満たすことを示した。(2)は腱駆動歩行ロボットのZMP制御を目的とし、ロボットの重心位置を制御することを目的とする。以前、腱駆動ロボット機構全体の厳密な入出力線形化に基づく制御系を提案したが、その構成は複雑でロバスト性が乏しかった。よってここでは、ロボットの動力学に対してのみの厳密な線形化を行い、腱の非線形性は保存した。その制御系の安定性を証明し、4関節で膝と足首の3関節を6本の腱で駆動する単脚機構のZMP制御に適用し、外乱や各種の運動時にも安定に倒立を保持できることをシミュレーションによって示した。なお、これらの結果は腱駆動ロボット機構のみでなく、柔軟な関節を持っロボット機構にも適用可能である。 以上の理論的考察と共に、腱駆動2足歩行ロボットの設計も行った。大きさを子供サイズで歩行速度を毎秒1歩とした。また、片足各6自由度で胴体部2自由度とし、両足の膝及び足首関節は6本の腱で駆動することとした。膝関節には人間と同じようなロック構造を導入し過伸展を防止し、人間の膝関節の屈曲伸展比を参考にして腱を非対称に張った。上記の構造に基づいてシミュレータを開発し、シミュレーション結果から得られた動作条件を元にモータの選定を行った。また、各リンクに発生する応力を計算し、それを元に強度設計を行ってリンク構造を決定した。次年度から製作に入る予定である。
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