Research Abstract |
1.実験システムのシミュレーション 昇圧器付PWMインバータと電気二重層コンデンサを組み合わせたシステムについて,シミュレーションで,回生が一時的でエネルギーがあまり大きくない場合(加減速による断続的な回生動作)と回生が連続的でエネルギーが大きい場合(定常的な回生動作)の検討を行った。 回生が一時的な場合には,加減速を繰り返し,断続的な回生動作を発生させた。この場合,回生エネルギーは電気二重層コンデンサの充電のみで処理できるため,エネルギーをバッテリまで回生させず,次の力行に用いることでバッテリからの正味の放電電力を小さくできた。 回生が連続的な場合には,負荷側から逆向きのトルクを与えて,連続的な回生動作を発生させた。この場合,電気二重層コンデンサへの充電で制限電圧まで充電されたあとは,バッテリへ定電流で充電させることで回生電力を回収できた。 2.実験システムの製作および実験 制御部に今年度購入のDSPシステムを用いて実験システムを製作した。昨年度購入の基板加工機を用いて主回路部分ほかの回路製作を行った。電動機は1.5kW,6極,1750rpmの埋込形永久磁石同期電動機で,回生エネルギー回収用に用いた電気二重層コンデンサは6000F,2.3Vを50個直列にし,さらにこれを2並列に接続した203F(実測値),115Vを用いた。 製作終了後,シミュレーションと同様の実験を行い,制御定数の調整を行った。必要に応じて,異なったパラメータでシミュレーションを行い,実験システムの制御定数の調整の参考とした。 実験,シミュレーションとも平均電力500Wの断続回生,電力200Wおよび700Wの連続回生を行い,システムが2つの回生モードにおいて,適切に機能することを確認した。 3.まとめ 以上より,提案システムは回生エネルギーを効率よく回収でき,バッテリの寿命を延ばすのにも十分貢献できることが明らかになった。
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