2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560253
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
上野 秀樹 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90301431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 博史 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00047614)
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Keywords | 沿面放電 / パルス電圧 / N_2 / SF_6混合ガス / コロナ発光 / 直流バイアス |
Research Abstract |
電力機器用絶縁用ガスとして,重用されているSF_6ガスは温室効果ガスであるため,電力機器の環境への対応も急務となっている。N_2/SF_6混合ガスを用いた低環境負荷システムが実用化段階に入っているが,SF_6ガスを不用とする根本的な解決は図られていない。本研究では,コロナによるN_2ガス中における絶縁耐力の制御(向上)を図り,純N_2によるガス絶縁機器の実現への基礎的知見を得ることを目的とする。これまでの不平等電界下の複合絶縁特性(沿面放電特性)における検討から,負極性の場合,N_2ガス中においてSF_6ガス中と同等の高い沿面絶縁破壊電圧を示すこと,N_2ガスに微量のSF_6ガスを混合する沿面破壊電圧が急激に低下する現象を見出しており,これが空間電荷やコロナによる蓄積電荷と関連していると推定している。まず,本年度では,コロナによるN_2ガス中における絶縁耐力の制御(向上)を図るため,上述の特徴的な現象のメカニズム解明を図った。 具体的には,下記のような測定を行い,SF_6ガス中やN_2/SF_6混合ガス中と比較検討した。 (1)直流バイアスによる沿面破壊電圧への影響と空間電荷,蓄積電荷の相関性検討 (2)ガス中におけるコロナの発光測定と発光過程の検討 (3)高速度カメラによる沿面コロナ進展の時間分解像と解析 特に,(1)の直流バイアスの影響について中心にその結果,以下のようなことが明らかとなった。 (1)同極性である負極性バイアスでは,バイアス電圧の上昇とともに沿面破壊電圧が上昇した。 (特に,SF_6微量混合時において顕著) (2)異極性である正極性バイアスでは,N_2ガス中の沿面破壊電圧のみが顕著に低下した。 (3)沿面破壊電圧の混合比依存性において,バイアス電圧の上昇とともに,SF_6ガスの微量混合による沿面破壊電圧の低下量が小さくなった。特に,異極性である正極性バイアス電圧が大きくなった場合,SF_6ガスの微量混合による沿面破壊電圧の低下はほぼ消失した。 これらの結果は,かかる現象が空間電荷や蓄積電荷の影響を受けて発現することを示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 上野, 中山: "N_2/SF_6中のパルス電圧波頭での沿面放電特性に及ぼす直流バイアスの影響"平成16年電気学会全国大会講演論文集. 1. 29 (2004)
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[Publications] H.Ueno, H.Nakayama: "Influence of Surface Charging on the Flashover Characteristics in N_2/SF_6 Gas Mixtures under Pulse Voltage Application"XV International Conference on Gas Discharges and Their Applications (GD2004). (発表予定). (2004)