2004 Fiscal Year Annual Research Report
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15560262
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
小林 一義 釧路工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (20042004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 敦 釧路工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (40215710)
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Keywords | 海塩汚損 / 雨洗効果 / 急速汚損 / 累積汚損 / 漏洩抵抗 / フラッシオーバ |
Research Abstract |
釧路地方特有の海霧と海塩汚損が送電線用碍子連の絶縁特性に与える影響について、今年度の研究目的は、海塩汚損の要因、碍子上下面の汚損と累積汚損の状態、海霧と絶縁特性などについて調べること、およびその結果を公開講座や学会等へ発表することである。 1.本研究の海塩汚損の測定技術、および碍子の海塩汚損と絶縁特性について、これまでの成果をまとめて北見工業大学公開講座(テーマ:北国の塩・雪害と電気絶縁、開催日:2004.9.29〜30)で講演をした。 2.海塩汚損の要因、および碍子の上面と下面の汚損状況について、電気・情報関係学会北海道支部連合大会(2004.10.23〜24開催)で講演をした。 その内容を要約すると次の通りである。 3.海塩汚損は気温・風向・風速・波高の影響を受けるが、特に風向・風速の影響が顕著である。また、降水は雨洗効果として海塩の消失に働く。 4.碍子上面に付着する海塩は風雨によって消失するので蓄積残留が少ない。しかし、下面は上面よりも付着し難い反面、消失も少ないので蓄積残留し易い。 5.その結果、上面の海塩汚損が顕著な場合は急速汚損として碍子の絶縁低下に繋がる。今年度は台風16号(8月31日)と18号(9月8日)の時に海塩の測定を開始以来の最高値を示した。この時の碍子表面の漏洩抵抗は10^5(Ω)オーダまで低下し、フィールド試験による碍子のフラッシオーバが発生する状態に一致する傾向が得られた。実際に、函館地方では海塩汚損と想定される停電事故が発生した。 6.碍子の下面の海塩汚損と長期間の累積汚損については、現在一部のデータが得られているが継続測定中であり、海霧の影響とともに次年度に向けまとめている。
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Research Products
(1 results)