2004 Fiscal Year Annual Research Report
極低温複合絶縁系の流動帯電と帯電時における電気絶縁特性の評価
Project/Area Number |
15560275
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
水野 幸男 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (50190658)
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Keywords | 液体窒素 / 高分子材料 / 流動帯電 / 表面電位 / 沿面放電電圧 |
Research Abstract |
1.各種パイプ中を流動させた後の液体窒素の帯電 (1)銅および塩化ビニルパイプでは液体窒素は正極性に、ステンレスおよび真鍮パイプでは負極性に、それぞれ帯電した。この結果は、帯電列により説明できる。 (2)液体窒素の帯電量の絶対値は、塩化ビニル、ステンレス、銅、真鍮の順に大きいことがわかった。しかしながら、絶縁油を流動させた場合の帯電量の報告値と比べると、はるかに小さい。 (3)L字状の塩化ビニルパイプにおいて、全長を1mで一定としてL字の位置を変えると、液体窒素入口からL字部までの距離が長いほど液体窒素の帯電量が大きくなることがわかった。L字部付近では液体窒素の流れが乱れること、L字通過後は液体窒素流速が落ちることが原因と考えられる。 (4)帯電は、液体窒素とパイプとの摩擦により帯電するものと考えられる。 2.液体窒素流動時の固体絶縁物の表面電位 (1)液体窒素を流動させると、固体絶縁物の表面には負の電位が発生した。繰返し液体窒素を流動させると、固体絶縁物の表面電位は徐々に小さくなった。固体絶縁物表面に付着する霜や氷を通して電荷が逃げているものと推定される。 (2)固体絶縁物表面上の電位分布は複雑であるが、液体窒素が流れ込む上流側およびその点から90度の位置にある側面の表面電位は、下流側のそれに比べて大きい傾向になる。下流側の液体窒素流速が遅くなるためと考えられる。 3.液体窒素中に漬浸した帯電固体絶縁物の交流沿面放電電圧 固体絶縁物表面が帯電している場合には、帯電の無い場合に比べて沿面放電電圧が低下することが確認された。帯電により固体絶縁物表面の局所電界が増強されたためと考えられる。
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Research Products
(5 results)