2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁場雑音中で動作可能な高性能超伝導磁気センサの開発
Project/Area Number |
15560287
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 瑞史 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20261381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 英章 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20237332)
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Keywords | SQUID / 高温超伝導体 / 信号 / 雑音比 / 多重接続化 / 非破壊計測 |
Research Abstract |
高温超伝導体SQUID(超伝導量子干渉デバイス)を、大きな環境磁場雑音下でも安定動作させることを目的として、磁場雑音に強い最適なセンサデバイス形状の検討を行った。特に、直結型SQUID磁束計出力の信号/雑音(S/N)比を向上させるため、SQUIDを直列又は並列に多数個接続してアレイ化することでセンサ出力の向上をはることを試みた。 1.直列SQUIDアレイ(2又は4個接続)について検討した結果、多重接続化によりSQUID出力電圧は増大するが、その改善度は予想されるよりもはるかに小さいことがわかった。この原因は個々のSQUID特性に避けられないばらつきがあるためと推測された。 2.一方、並列SQUIDアレイ(10個接続)について検討した結果、多重接続化によっても出力電圧としては単独SQUIDの場合とほぼ同様の大きさが確保されることがわかった。このことは、各SQUIDが最大出力となるように印加磁束に対して電流が最適分岐されることを示しており、今後SQUID出力を電流として取り出すことで、S/N比の向上が見込まれる。又、接続SQUID数が多いほど磁束計としての電圧白色雑音レベルが低くなり、アレイ化の効果が確認された。 その他、 3.市販のセンサによる予備実験を、比較的信号の大きい非破壊検査システムを用いて行っている。励起磁場を用いた渦流探傷法により、深さ・空間分解能について調べた結果、多層構造物(アルミ合金)の下部層の欠陥をも検出可能であることがわかった。また、食肉に混入する注射針等の異物検査への応用についても検討を行った。
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Research Products
(6 results)