2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁場雑音中で動作可能な高性能超伝導磁気センサの開発
Project/Area Number |
15560287
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 瑞史 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (20261381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 英章 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20237332)
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Keywords | SQUID / 信号 / 雑音比 / 磁気雑音 / アレイ型センサ |
Research Abstract |
本研究においては、磁場雑音に強い最適なセンサデバイスの形状を明らかにし、さらにその形状を用いることで、通常の実験室レベルの非シールド環境下においても安定に動作する高性能なSQUIDセンサを得ることを目的に実験を進めてきた。最終年度である平成17年度は、前年度までに得られた、磁束挙動に関する実験データ及び多重接続SQUIDアレイに関する実験データに立脚して、最終的な高感度センサデバイスの形状・駆動法について検討した。具体的には、SQUIDアレイ構造センサを一定電圧において動作させるようにフィードバックをかけながら電流駆動し、印加磁束の変化をSQUIDの電流変化として検出することを試みた。これにより、たとえアレイ内のN個のSQUID間に臨界電流特性等のばらつきがあったとしても、SQUID電流出力をほぼN倍とすることができ、信号/雑音(S/N)比を向上させることが可能となった。このことは、大きな環境磁場中で動作させる際には大きな利点となる。なお、出力を取り出すための電流読み取り回路として、抵抗による通常の電流/電圧変換回路だけではなく、もう1つ別のSQUIDを用いた電流読み出し回路を設計し、フォトマスク作製も行った。これにより今後更なる計測システムの高感度化が期待できる。このように今年度は、デバイス駆動系としての問題を解決することでS/N比の向上を図ることができ、磁場雑音に強い高性能なSQUIDセンサを測定系全体として構築するための大きな知見が得られたと考えられる。
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Research Products
(2 results)