2003 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタル信号の高速伝送に対応した金属導波系の設計システムの開発
Project/Area Number |
15560299
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松島 章 熊本大学, 工学部, 助教授 (70157303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周山 大慶 熊本大学, 工学部, 助手 (70336204)
福迫 武 熊本大学, 工学部, 助教授 (90295121)
西本 昌彦 熊本大学, 自然科学研究科, 助教授 (60198520)
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Keywords | 金属導波系 / ディジタル信号 / 伝送線路 / 数値解析 / 金属電波レンズ / 金属回折格子 / 金属表面粗さ / Java言語 |
Research Abstract |
金属導波系の設計用システムを構築するためのルーチンを確立することを大きな目標とし、その要素技術を理論・実験の両面から検討するともに、基本的な伝送線路の設計ツールを作成した。 理論的検討としては、本研究者らがこれまで開発してきた計算電磁気学の技法を駆使して、3種類の導波系に対して境界値問題を精密に解析した。まず、(1)伝送線路における金属部と誘電体基板との接着面に存在する凹凸表面に着目し、種々の断面形状をもつ金属表面の粗さに対して、伝送損の増加を定量的に把握した。これはマイクロ波シミュレータを利用して回路を設計する際に有用なデータとなる。次に(2)これまで理論的な取扱いが困難であった多層膜の金属回折格子について、その吸収特性のパラメータ依存性を把握した。さらには(3)平行金属板で構成した電波レンズのもつ電磁波収束作用を理論的に導いた。これについては具体的にレンズを試作し、実験により特性を確認した。 本研究のもう一つの柱として、所望の特性をもつ各種のマイクロ波伝送線路をWebのブラウザ上で簡便に設計することができる線路設計ツールをオンライン電卓の形にまとめ上げた。計算プログラムはJava言語で記述し、同軸線路、平行2線、マイクロストリップ線路、トリプレート線路、長方形導波管等のよく用いられる線路に対して、特性インピーダンス、減衰定数,位相定数等の重要な数値が簡便に計算できるシステムとなった。このように、いったん解析・設計・試作・評価の統合的なプロセスを確立しておけば、以後はこのシステムの対象範囲と機能を拡充することは容易である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松島 章, 東 剛史: "粗い金属表面における電力損失の計算"電子情報通信学会 研究技術報告(マイクロ波). MW2003-162. 63-68 (2003)
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[Publications] 松島 章, 中村友美, 中川宗俊: "平行平板金属レンズの数値解析と測定"2004年 電子情報通信学会 総合大会 講演論文集. C-1-19. 19-19 (2004)
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[Publications] 西本昌彦, 下憲一郎, 生野浩正: "地中レーダ応答の系列情報を用いた地中埋設物の探査・識別"2003年 電気関係学会 九州支部連合大会 講演論文集. 1-1 (2003)
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[Publications] T.Fukusako, A.Imahase, N.Mita: "Polarization characteristics of patch antenna using in-plane and weakly biased ferrite substrate"IEEE Trans.Antenna & Propagation. AP-52. 325-327 (2004)
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[Publications] D.K.Jung, T.Fukusako, N.Kitamura, N.Mita, C.S.Ha: "Polarization switchable Microstrip Antenna using PIN diodes"IEICE Trans.Communication. E87-B. 152-157 (2004)
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[Publications] 周山大慶, 大津道歳, 松島 章, 奧野洋一: "深い2次元正弦波状金属回折格子による平面波散乱の数値解析"2004年 電子情報通信学会 総合大会 講演論文集. C-1-24. 21-21 (2004)