地中探査レーダのための高精度識別アルゴリズムの開発

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15560300
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 西本 昌彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60198520)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中 良弘 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (30305007) ; 生野 浩正 熊本大学, 工学部, 教授 (80040400)
• Keywords: 地雷探査 / 地中レーダ / パターン認識 / 特徴抽出

Research Abstract

対人地雷を探知するための有力な方法の一つとして,電磁波を用いた地雷探査レーダが有力視されている.現在,地雷探査レーダに要求されているのは,地表面からの応答に埋もれている地雷のからの応答を抽出する方法と,地雷と地雷以外の物体を高い精度で識別するための「識別能力」である.本研究では,地雷探査レーダ信号の解析アルゴリズムを開発することを目的としている.すなわち,地表面反射波に埋もれた地雷の特徴を抽出し,高い精度で地雷からの応答を分離するための信号処理技術を開発することである.また,計算機シミュレーション及びモデル実験により,開発した手法の有効性の確認も行う.平成15年度は,クラッタを含むレーダ信号からの地雷の特徴抽出に関する検討,及び識別アルゴリズムの開発を中心に行った.
1.地雷の特徴抽出法の開発
申請者が提案したレーダ信号からターゲットの特徴を抽出する手法を地雷探知レーダに適用できるように,手法の拡張を行った.
2.高精度識別アルゴリズムの開発
識別アルゴリズムの開発は本研究の中心部分である.ここでは統計的学習理論に基づくパターン認識の手法を取り入れたレーダ信号処理法を採用した.
3.レーダ応答の数値解析法に関する検討
本研究では数値シミュレーションを行うため,地雷からのレーダ応答を数値解析することが必要不可欠である.数値解析法としてFDTD法を用いるが,複雑な三次元誘電体からの散乱応答を広帯域に渡って数値解析するには多大な計算時間とメモリを必要とするため,数値解析法の改良が必要となる.現在改良途上である.
4.信号処理コード及びレーダ応答の数値解析コードの作成
上述の1.及び2.に基づいた信号処理コードと3.のレーダ応答の数値解析コードの作成を開始した.

Research Products

• [Publications] 西本昌彦: "Hidden Markov Modelを用いたレーダ信号の系列情報処理法とそのターゲット識別への応用"2003年光・電波ワークショップ論文集. EMT-03-29. (2003)
• [Publications] 西本昌彦: "Hidden Markov Modelを用いたレーダ信号処理法とその地中埋設物探査への応用"第7回地下電磁計測ワークショップ論文集. 53-57 (2003)
• [Publications] 西本昌彦: "Hidden Markov Modelを用いた地中埋設物の探査・識別"2003年電子情報通信学通信学会ソサイエティ大会論文集. CD-ROM. (2003)
• [Publications] 西本昌彦: "地中レーダ応答の系列情報を用いた地中埋設物の探査・識別"平成15年度電気関係学会九州支部連合会大会論文集. CD-ROM. (2003)
• [Publications] 西本昌彦: "地中レーダを用いた浅い地表面下の埋設物の探査・識別"2004年電子情報通信学通信学会総合大会論文集. CD-ROM. (2004)
• [Publications] Masahiko Nishimoto: "Detection and Classification of Landmines Using GPR Signatures"Proceedings of the International Symposium on System & Human Science. Vol.1. 284-289 (2003)