2004 Fiscal Year Annual Research Report
希土類元素添加カルコゲナイドガラスによる高強度発光材料探査とその発現機構
Project/Area Number |
15560301
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
前田 幸治 宮崎大学, 工学部, 助教授 (50219268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
碇 哲雄 宮崎大学, 工学部, 教授 (70113214)
境 健太郎 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 助手 (20336291)
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Keywords | カルコゲナイドガラス / ガラス転移温度 / 希土類 / エルビウム / フォトルミネッセンス / 光吸収 |
Research Abstract |
本年は、Gaを含むカルコゲナイドガラスの構造とアニールしたガラスの評価の調査を中心に研究を行った。 まず、ガラスの構造特性を調べるために、示差走査型熱量計による熱測定と、ラマン散乱測定を行った。その結果、ガラス転移温度は、化学量論組成でピークとなる振舞いを示した。化学量論組成のままGa濃度を変化させると、ガラス転移温度がほとんど変化せず非常に安定なガラス構造を有していることがわかり、このガラスの長所であることが判明した。それらの組成のラマンスペクトルより、化学量論組成と(Ge_<30>Se_<70>)_<1-x>Ga_xの間でのGaの添加量の増加にともなう、Ge(Ga)-Ge(Ga)ボンドの増加の様子を定量的に明らかにした。 それと平行して、前年度見出したアニールによるErの発光強度の増大を調べた。これは、急冷ガラスをガラス転移温度付近でアニールすると、発光強度が強くなる現象である。今年は、7種類の組成について等温アニール、昇温アニールを行い詳細にこの現象の追試を行った。ほとんどの組成で、強度の増加は認められ、20%から最大100%程度の増加であることがわかった。アニール前後の吸収スペクトル、PLスペクトルを調べ、その変化が無いことから、このメカニズムはErイオンがアニールによって分散状態が変化したのではなく、励起エネルギーが非輻射的に緩和する量が、アニールよるガラスの緩和で、減少したためだと結論付けた。 これらの結果の一部を2004年11月3日にアメリカのフロリダで行われた国際会議(14^<th>ISNOG)で発表し公表した。
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Research Products
(1 results)