2004 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導カオスジェネレータ「ジョセフソン・テトロード」に関する研究
Project/Area Number |
15560305
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
吉森 茂 拓殖大学, 工学部, 教授 (00167024)
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Keywords | ジョセフソン・テトロード / ジョセフソン効果 / 非線形現象 / カオス / アトラクタ / 分岐図 / リアプノフスペクトル / GL理論 |
Research Abstract |
ジョセフソン効果は非線形な現象であり、超伝導体を使って作られたジョセフソン接合はこれまで高感度電磁波検出器やSQUIDに応用されてきた。一方、5個のジョセフソン接合から出来たジョセフソン・テトロードは独立変数を3個持ち、非線形効果を利用してカオスを発生させることができる。レーザーを用いてカオスを生成する場合、数GHz〜数10GHzが限界であるが、ジョセフソン効果を応用しているので、容易に数100GHz〜数THzの超高速カオスを生成できる。光通信のサブキャリアに利用できれば、波長多重技術を利用しなくても、1個の半導体レーザーのみで、従来のディジタル光通信数100チャネル分の大容量高秘匿通信(アナログ)が実現できる。本研究の平成16年度の目的は、ジョセフソン・テトロードの等価回路表現及び回路方程式を導出し、特性方程式(連立常微分方程式)を誘導し、解析的にリアプノフスペクトルを調べることにある。また、Ginzburg-Landau理論に基づいて、高Tc超伝導薄膜の膜厚と臨界温度の関係を解析することも課題とした。カオスの発生条件は、(1)分岐図、(2)時間波形及びFFT、(3)アトラクタ、(4)リアプノフスペクトルを調べることによって明らかにできる。分岐図及びFFT、アトラクタの結果については昨年度報告した。リアプノフスペクトルの調査のために、特性方程式からヤコビアンを誘導し、ジョセフソン・テトロードの動作を特徴付ける固有値を決定する3次方程式を導出した。得られた3次方程式をカルダノ法によって解析し、ジョセフソン・テトロードの最大リアプノフ数のスペクトルを詳細に調べることができた。その結果、分岐図からカオスを発生できると判断できるような条件下では、最大リアプノフ数は所々負の値を取り得るものの、ある程度の範囲で平均化すると正の値を取ることが明らかになった。次に代表的な高Tc超伝導体であるYBa2Cu3O7にGinzburg-Landau方程式を適用し、膜厚と臨界温度の関係を解析した。その結果、C軸長さの5倍以上の膜厚で十分に高い臨界温度を得られることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)