2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560316
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
羽渕 裕真 茨城大学, 工学部, 助教授 (90241744)
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Keywords | 無線パケット通信 / Push型補間プロトコル / Pull型補間プロトコル / スペクトル拡散通信 / マルチコードセンス方式 / コードシフトキーイング / ALOHA方式 / 再送法 |
Research Abstract |
本研究は、多値変調法の1つであるコードシフトキーイング(CSK)とロスパケットを基地局ではなく近隣車両の自発的な送信により補間するロスパケット補間法を融合したITSのための通信プロトコルを検討した。その結果、以下の点が明らかになった。 ・CSK用符号系列を構成するチップ波形を送信側では単なる矩形波、受信側ではマンチェスタ符号波形とすることで1つの相関器で構成できる同期追跡法を考案した。受信同期タイミングジッタの理論式を導出した。その結果、本方式は同期追跡回路の簡易化を図ることができ、シングルユーザ時のジッタ特性は従来の遅延ロックループを用いる方式と同程度であるが、マルチユーザ時には改善できることが分かった。 ・CSKの符号系列としてM系列と直交符号を組み合わせた二重拡散符号や直交系列を連接して新たな符号を構成する非直交符号を用いた無線アクセスプロトコルを考案した。パケットの干渉をパケットの先頭位置で見積もるパーフェクトキャプチャを利用してスループットの理論式を導出した。その結果、両方式とも従来の直交系列をCSKの変調用符号として用いる方式よりも性能向上できることが明らかになった。 ・マルチコードセンススペクトル拡散(MCS/SS)方式を適用したPush型補間プロトコルおよびPull型補間プロトコルを考案した。補間完了までに要する平均所要時間特性、補間完了までに発生する平均パケット数(単位時間当りの平均トラヒック)を理論解析により評価した。さらに、同一データを複数回連続送信する効果についても明らかにした。正確なアクセス制御が実現できているという仮定では、Push型補間プロトコルが有効であることが分かった。また、MCS/SS方式を正確に作動させるためには、Push型補間プロトコルがPull型補間プロトコルよりも多くの拡散符号系列が必要であることが分かった。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 羽渕裕真, 荒井剛: "3値信号形式を用いたスプレッドアロハ方式に関する一検討"2003年電子情報通信学会ソサイエテイ大会講演論文集. No.A-5-6. 98-98 (2003)
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[Publications] Masashi Sato, Hiromasa Habuchi: "Packet Compensation Protocol with MCS/CDMA"The 6^<th> International Symposium on Wireless Personal Multimedia Communications. Vol.1. V1-275-V1-279 (2003)
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[Publications] Azumi Ito, Hiromasa Habuchi: "A Novel Synchronization Method for CSK/SS"The 6^<th> International Symposium on Wireless Personal Multimedia Communications. Vol.3. V3-222-V3-226 (2003)
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[Publications] Nobuyoshi Komuro, Hiromasa Habuchi: "Throughput of the CSK/SS System with Nonorthogonal Sequences"The 6^<th> International Symposium on Wireless Personal Multimedia Communications. Vol.3. V3-483-V3-487 (2003)
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[Publications] Azumi Ito, Hiromasa Habuchi: "Performance Analysis of CSK/SS with Manchester Coded PN Sequence Pair"2003 International Symposium on Intelligent Signal Processing and Communication Systems. (CD-ROM). 429-433 (2003)
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[Publications] Masashi Sato, Hiromasa Habuchi: "Performance Analysis of Push-Type Packet Compensation Protocol with MCS/CDMA"2003 International Symposium on Intelligent Signal Processing and Communication Systems. (CD-ROM). 769-774 (2003)
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[Publications] Nobuyoshi Komuro, Hiromasa Habuchi: "Throughput of the Unslotted CSK/SS ALOHA System with Nonorthogonal Sequences"2003 International Symposium on Intelligent Signal Processing and Communication Systems. (CD-ROM). 781-786 (2003)
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[Publications] 佐藤将司, 羽渕裕真: "MCS/CDMAを用いたアドホックネットワークにおける放送型データの補間法の一検討"電子情報通信学会技術研究報告. CS2003-136. 67-72 (2003)
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[Publications] 伊藤あづみ, 羽渕裕真: "マンチェスタ符号化PN系列対を用いるCSKのジッタ特性に関する一検討"電子情報通信学会技術研究報告. CS2003-137. 73-77 (2003)
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[Publications] 小室信喜, 羽渕裕真: "陪直交系列からなる連接系列を用いたCSK/SS ALOHA方式の連接数に関する検討"電子情報通信学会技術研究報告. CS2003-138. 79-83 (2003)
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[Publications] 佐藤将司, 羽渕裕真: "無線配信システムにおけるMCS/SSを用いた再送法の検討"電子情報通信学会技術研究報告. WBS2003-184. 61-66 (2004)
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[Publications] 佐藤将司, 羽渕裕真: "MCS/CDMAを用いた放送型無線通信システムにおけるPull型補間ブロトコルの一検討"電子情報通信学会総合大会講演論文集. No.A-17-3(3月22日発表予定). (2004)
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[Publications] 小室信喜, 羽渕裕真: "陪直交系列を連接した系列を用いたCSK/SS ALOHA方式のトラフィック制御の効果に関する一検討"電子情報通信学会総合大会講演論文集. No.A-5-20(3月22日発表予定). (2004)
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[Publications] 伊藤あづみ, 羽渕裕真: "連接系列を用いるCSKのための簡易な同期追跡法に関する一検討"電子情報通信学会総合大会講演論文集. No.A-5-26(3月23日発表予定). (2004)
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[Publications] 小野文枝, 羽渕裕真: "タイムホッピング型変形マルチパルス・パルス位置変調方式の同期性能"電子情報通信学会総合大会講演論文集. NO.A-5-44(3月25日発表予定). (2004)