2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560322
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
中川 健治 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80242452)
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Keywords | 実効帯域制御方式 / 帯域割り当ての公平性 / パケット損失率 / 裾確率の指数的減少 / 複素関数論の応用 / パケット遅延時間 / 2状態MMPPによる近似 / 相型サービス時間分布 |
Research Abstract |
(1)TCP/IPネットワークにおけるQoS制御方式の研究 実効帯域制御方式として,V-WFQ(Virtual Weighted Fair Queueing)方式が既に提案されている。V-WFQ方式では,キュー長を観測し廃棄率を計算しているため,TCP RenoとTCP Vegasが混在したときに公平性が実現できない。本研究では,この点を解決する方式として,各コネクションの送信レートによって廃棄率を計算し,TCP Vegasに対してWindow全体のパケットが廃棄されることがないように工夫したアルゴリズムを提案した。 この結果を電子情報通信学会総合大会で発表した。 (2)パケット損失率を保証する高速なコネクション受付制御の研究 パケット損失率のバッファサイズに対する指数的減少について解析した。その結果,指数的減少のための1つの十分条件を与えた。具体的には,ある確率変数の確率母関数の収束円周上にある特異点が高々有限個の極のみであるならば,その確率変数の裾確率が指数的に減少することを示した。また,この条件が満たされないときに裾が指数的に減少しない例を与えた。また,既約で正再帰的なM/G/1型待ち行列で,その定常分布の裾が指数的に減少しない例を与えた。 この結果は,Stochastic Models誌に論文として掲載された。 (3)パケット網の遅延時間の評価 ネットワークにおける平均系内時間の解析を行った。従来の米倉らの方法は,到着過程を2状態MMPP(Markov Modulated Poisson Process)としサービスを指数サービスとするモデルを解析した。本研究ではサービス時間分布を相型分布へ拡張した。本研究法による近似値は,米倉らによる従来法よりも精度が良く,計算量も少ないことを示した。 この結果は,電子情報通信学会和文論文誌Bに論文として掲載される予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kenji Nakagawa: "On the Exponential Decay Rate of the Tail of a Queue Length Distribution"Stochastic Models. 20・1. 31-42 (2004)
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[Publications] 坂本将清, 中川健治, 恩田和幸, 斎藤茂: "パケットネットワークにおける平均系内時間の近似解析"電子情報通信学会和文論文誌B掲載予定. J85-B・6. (2004)