2005 Fiscal Year Annual Research Report
次世代超多ビーム衛星搭載周波数領域信号処理システムの研究
Project/Area Number |
15560324
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
江上 俊一郎 静岡大学, 工学部, 教授 (10293599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 義彦 静岡大学, 工学部, 助教授 (00313932)
大内 浩司 静岡大学, 電子科学研究科, 助手 (50313937)
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Keywords | 通信衛星 / DSP / 多ビーム / CDMA / FFT / オンボード処理 / ソフトウエア受信 / 周波数サンプル |
Research Abstract |
衛星搭載中継器の周波数サンプル化技術の研究を行い,超多ビームDSP衛星システムを設計するための基本技術を実現することを目的とする。H17年度は以下の研究を行った。 (1)高速FFT処理を複数のDSP素子によって行うパイプラインFFTについて当研究室で考案した方法によって実際に2個のDSPボード(C6713DSK)を用いて2段のパイプラインFFTを実現した。実際に必要なサイクル数等を明らかにし,DSPによるパイプラインFFT設計の基準を得ることができた。点数の多いFFTを多段のDSPパイプライン処理によって実現可能となった。 (2)FFTによって周波数サンプル化したのち,サンプル選択によりチャネルを選択し,選択した周波数サンプルから直接復調する方法をQPSKに適用した。QPSKの周波数サンプルからの復調方法についてFFT処理シンボル数等の条件を明らかにした。 (3)周波数サンプル化された搬送波を有するCDMA信号を高速相関処理を用いて逆拡散する方法について研究し,コード同期及び搬送波同期を近似的な3次元FFTによって求める方法をMatlab及びC6713SKで実現した。これによってアップリンクにCDMAを用いた多ビーム衛星のDSPによる周波数領域受信処理が可能になった。 (4)H16年度に考案し特許を申請した変位比較法によるCDMA逆拡散についてC6713DSKで実現した。周波数サンプルを用いた場合コード長511まで,時間領域を用いた変位比較法の場合コード長1,022までの逆拡散を実現できた。 (5)周波数サンプルを用いたアナログAM/FM方式のソフトウエア復調方式を研究し,10.7MHz帯をIFとするディジタルラジオに付加するソフトウエアとして実現した。 (6)周波数サンプルを用いたMSK復調を研究し,周波数サンプルからMSKの搬送波を抽出し,MSKを復調する方法を考案した。実際にMatlabでシミュレーションを行い,受信Eb/NOに対する符号誤り率が理論値に近い値になることを確認した。 (7)FFTを利用したOFDM変復調をDSKによって実現した。特に新しくパイロットシンボルの時間波形を用いた相関によるシンボル同期法を考案し,従来のガードインターバルを用いたシンボル同期より優れたタイミング検出が可能なことを明らかにした。 (8)H12年4月より宇宙航空研究開発機構(JAXA)のWINDSプロジェクトチームの主幹開発員を兼務して超高速インターネット衛星のKa帯多ビーム送信増幅器MPAの開発に継続して協力してきた。MPAは報告者が特許を持つ多ビーム衛星用送信系である。開発は成功しH17年12月にKa帯MPAのCDRを行うことができた。衛星の打上まで協力する予定である。
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Research Products
(8 results)