2003 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児の心理状態認識を目的とした音声情報解析システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
15560337
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
荒川 薫 明治大学, 理工学部, 教授 (30183734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 節子 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (50144358)
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Keywords | 乳幼児 / 泣き声 / 啼泣 / 音声解析 / 意味解析 / 育児 / 非線形ディジタルフィルタ / 雑音除去 |
Research Abstract |
本研究では、言葉を話せない乳幼児の音声が持つ意味情報を計算機処理により解析し、乳幼児が泣いた場合のその啼泣の原因を推定する音声情報処理システムの開発を行った。著者らは先に、乳幼児の啼泣原因として最も一般的な、「空腹」、「眠い」、「痛い」を取り上げ、生後5ヶ月〜12ヶ月の乳幼児の空腹時と眠いとき、また痛いときの泣き声を自動的に識別するための特徴量抽出や推定ルールの構築を行い、およそ8割の精度でこれらの泣き声の自動識別を行うことができることを示した。今回は、より低月齢児を対象とし、生後4ヶ月未満の乳幼児の空腹及び眠いときの泣き声を解析し、若干のパラメータの違いはあるが、月齢5ヶ月以上の乳幼児の泣き声と同様の傾向が見られることを明らかにした。すなわち、低月齢児の泣き声においても、周波数スペクトルを求めると、空腹時は眠いときに対してより高い周波数領域まで周期的な周波数スペクトルが存在し、また、この空腹時と眠いときを識別する周波数は、高月齢児より高い傾向があることが明らかになった。さらに、甘えているときと、不快なときの泣き声の解析を行い、甘えているときは、比較的空腹に近いパターンであること、不快なときは、周波数スペクトルが比較的平坦な形状をなすことがわかった。 また、泣き声解析の際、これに混入する雑音を除去する必要がある。本研究者らは、非定常的な音声信号に対する雑音除去のための非線形ディジタルフィルタを以前に提案したが、今回、これを用いた画像処理システムの開発も行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 志村 厚: "ε-フィルタを用いたエッジ効果の生じない高周波数成分推定を伴うディジタル画像拡大法の提案"電子情報通信学会論文誌. J86-A・5. 540-551 (2003)
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[Publications] Kaoru Arakawa: "Extended Component-Separating Nonlinerar Digital Filter with Optimization and Its Application to Face Image Beautification"Proc.IEEE IEPACS 2003. 139-144 (2003)
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[Publications] Kaoru Arakawa: "Recognition of the Cause of Babies' Cries from Frequency Analyses of Their Voice --- Classification Between Hunger and Sleepiness ---"Proc.ICA 2004. (to be published). (2004)
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[Publications] 伊藤節子: "小児科領域における食物アレルギー治療の位置づけとその実際"アレルギー. 52・10. 989-991 (2003)
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[Publications] 伊藤節子: "原因アレルゲンの同定-ヒスタミン遊離試験の臨床的有用性-"日本小児皮膚科学会雑誌. 22・2. 134-137 (2003)
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[Publications] 伊藤節子: "食物アレルギーの発症機序からみた治療についてのオーバービュー"日本小児アレルギー学会誌. 18・1. 46-52 (2004)