2004 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児の心理状態認識を目的とした音声情報解析システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
15560337
|
Research Institution | MEIJI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荒川 薫 明治大学, 理工学部, 教授 (30183734)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 節子 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (50144358)
|
Keywords | 乳幼児 / 泣き声 / 啼泣 / 音声解析 / 意味解析 / 育児 / 非線形ディジタルフィルタ / 雑音除去 |
Research Abstract |
本研究では、言葉を話せない乳幼児の音声が持つ意味情報を計算機処理により解析し、乳幼児が泣いた場合のその啼泣の原因を推定する音声情報処理システムの開発を行った。 前年度は、月齢4ヶ月以下の乳児の泣き声についても、月齢5ヶ月以上の乳幼児の場合と同様、「空腹」と「眠気」で周波数スペクトルの形状に違いがあることを確認したが、今年度は、両者を分類するためのルールの構築を行い、実際に両者の判別を行った。月齢により、乳幼児の泣き声の周波数特性が異なるので、特に、月齢3-4ヶ月の16名の乳児男女の泣き声を対象に、ルールを作成した。その結果、(1)6kHzくらいまで振幅スペクトルがほぼ一定の高い値を保ち、そこから急激に減衰するか、(2)8-9kHzくらいまで高い状態を保ち徐々に減衰するか、あるいは(3)全体的に上に凸となれば「空腹」、そうでなければ、すなわち、低周波数帯から徐々に減衰したり、下に凸なる周波数スペクトルとなれば「眠気」と判定することにより、約8割の正答率で「空腹」と「眠気」の泣き声を分類することができた。正答率が完全に100%にならないのは、乳児によって判別が難しい子供がいることと、「空腹」と「眠気」の中間状態の場合があったためである。 また、泣き声解析の際、これに混入する雑音を除去する必要があるが、本研究者らは、音声信号のような非定常信号に対する雑音除去のための非線形ディジタルフィルタを以前に提案した。今年度は、これを新たに圧縮動画像の圧縮歪除去へ適用してその有効を示すと共に、この非線形ディジタルフィルタを用いた新しいディジタルシネマ電子透かし方式の提案を行い、その有効性を示した。
|
Research Products
(6 results)