2003 Fiscal Year Annual Research Report
実用的符号及び通信路に対する並列反復事後確率計算アルゴリズムの応用と解析
Project/Area Number |
15560338
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松嶋 敏泰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30219430)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平澤 茂一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30147946)
|
Keywords | 情報理論 / 誤り訂正符号 / 復号アルゴリズム / 事後確率計算 / グラフィカルモデル / 知能情報処理 / 不確実推論 |
Research Abstract |
近年,誤り訂正符号の分野で提案されたTurbo符号,Turbo復号法はその誤り訂正能力の高さから21世紀の高信頼度情報通信,蓄積技術の重要な技術として注目を集めている.このTurbo復号を含む反復復号アルゴリズムは,知識情報処理の分野で不確実推論アルゴリズムとして用いられている確信度伝搬(BP : Belief Propagation)アルゴリズムの応用例として解釈されることが明らかとなっており,Turbo復号はBPアルゴリズムと同等な方法で,事後確率計算を近似的に効用よく行っていると解釈される.平成12-14年度科学研究費補助金の助成による「不確実推論を用いた高信頼度反復復号アルゴリズムの設計と解析」の研究成果として得られた拡張ジャンクショングラフ(EJG)と並列反復事後確率計算アルゴリズムは,従来の確率伝播アルゴリズムと比べ一般的な確率モデル(符号)を扱えると共にループのあるグラフ(ほとんどの実用的符号はループがある)においても性能の劣化が少ないことが確認された.そのためこのグラフとアルゴリズムは実用的な符号に対し優れた性能が期待され,本研究では様々な符号や通信路に対し応用を試みその性能を実験的及び解析的に検討を行うことであった. 今年度においてはEJGと並列反復事後確率計算アルゴリズムが,先に述べた理由から実用的符号の復号への応用に有効と考えられるため,実用的符号への並列反復事後確率計算アルゴリズム応用として,主に符号長の短い実用規模のLDPC(低密度パリティチェック)符号,実用化されているブロック符号(BCH符号等),畳み込み符号やTail-biting符号,の3種類の符号への応用とその性能解析を行った.また,並列反復事後確率計算アルゴリズムの復号性能の理論解析として,畳み込み符号のように規則正しい確率構造の繰り返しによる構造を待った符号に対しての解析を行った.
|
Research Products
(16 results)
-
[Publications] Toshiyasu Matsushima, Tomoko K.Matsushima, Shigeichi Hirasawa: "A Parallel Itarative Decoding Algorithm for Zero-Tail and Tail Biting Convolutional Codes"Proceedings of IEEE International Symposium on Information Theory. 175 (2003)
-
[Publications] Toshiyasu Matsushima, Tomoko K.Matsushima, Shigeichi Hirasawa: "Parallel Propagation Algorithms for Tailbiting Convolutional Codes"第26回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 445-448 (2003)
-
[Publications] 大澤雅之, 野村亮, 松嶋敏泰: "畳み込み符号の並列復号アルゴリズムの性能評価に関する一考察"電子情報通信学会技術報告. IT2003-33. 57-62 (2003)
-
[Publications] H.Yagi, T.Matshima, S.Hirasawa: "A method of reducing space complexity of reliability heuristic search maximum likelihood deccoding algorithms"The 26th Symposium on Information theory and Its Applications. 185-188 (2003)
-
[Publications] 新家 稔央, 松嶋 敏泰, 平澤 茂一: "木符号におけるリスト復号法を用いた判定帰還方式について"電子情報通信学会論文誌(A). vol.J83-A No.1. 67-82 (2004)
-
[Publications] 鈴木悠哉, 須子統太, 松嶋敏泰: "相関のある時系列の状態空間によるモデル化と予測"電子情報通信学会技術報告. IT2003-38. 87-92 (2003)
-
[Publications] 岩田錦弥, 吉田隆弘, 松嶋敏泰: "ポアソン分布に従う非定常な時系列のモデル化に関する一考察"電子情報通信学会技術報告. IT2003-39. 93-98 (2003)
-
[Publications] 須子統太, 野村亮, 松嶋敏泰, 平澤茂一: "決定木モデルにおける予測アルゴリズムについて"電子情報通信学会技術報告. COMP2003-36. 93-98 (2003)
-
[Publications] 浮田善文, 松嶋敏泰, 平澤茂一: "直交計画を用いたブール関数の学習に関する一考察"電子情報通信学会論文誌(A). Vol.J86-A, No.4. 482-490 (2003)
-
[Publications] 須子統太, 松嶋敏泰, 平澤茂一: "区間で一定なパラメータを持つ情報源におけるベイズ符号化法について"第26回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 165-168 (2003)
-
[Publications] 渋谷知成, 斉藤友彦, 松嶋敏泰: "衝突困難ハッシュ関数の安全性について"第26回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 609-612 (2003)
-
[Publications] 江口公盛, 須子統太, 松嶋敏泰: "ベイズ決定理論に基づく予測における近似手法について"第26回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 703-706 (2003)
-
[Publications] 浮田善文, 松嶋敏泰, 平澤茂一: "質問学習と逐次実験計圃の関係に関する一考察"電子情報通信学会技術報告. Al2003-63. 1-6 (2004)
-
[Publications] M.Goto, T.Matsushima, S.Hirasawa: "A source model with probability distribution over word set and recurrence time theorem"IEICE Trans. Fundamentals. vol.E86-A No.10. 2517-2525 (2003)
-
[Publications] 石田 崇, 松嶋 敏泰, 平澤 茂一: "語頭条件を満たさないWord-Valued Sourceモデルに関する一考察"第26回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 77-80 (2003)
-
[Publications] 石田 崇, 後藤 正幸, 松嶋 敏泰, 平澤 茂一: "語頭条件を満たさない単語集合をもつWord-Valued Sourceの性質について"電子情報通信学会技術報告. IT2003 1-9. 23-28 (2003)