2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560351
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
石川 勉 拓殖大学, 工学部, 教授 (10281370)
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Keywords | 推論メカニズム / 概念ベース / 述語論理 / 常識知識 / 類似性判別 / 知識獲得 / 対話システム / 知識表現 |
Research Abstract |
人間の判断に近い柔らかな処理をコンピュータ上に実現することを目指し、知識が不完全(欠落、誤り、矛盾等)でも、常識知識を活用してその不完全さに応じた概略的な解答を提示する推論技術(概略推論法)ついて研究した。また、そのベースとなる常識知識の電子化文書からの自動獲得法について研究した。以下に主な研究成果を示す。 1.概略推論法の研究 本推論法における知識表現法について、(1)日常的日本語文をある程度正確に表現でき、かつ、その意味が一意に定まる、(2)電子化辞書等の利用可能なツールを用いて日本語文から容易に変換できる、(3)述語論理をベースとした推論処理との適合性が良い、等を条件として研究した。この結果、基本的な知識構成要素を単語(名詞句や複合語も可)とし、かつ、引数部の項は深層格によるラベル付けを行なう、従来の述語論理を大幅に拡張した表現法を提案した。さらに、単文や簡単な複文を対象とした、この表現形式への変換法の開発を進め、その基本部分を構築した。 2.常識知識ベースの研究 概念ベース(言葉の意味の類似性判別用)関連については、共起情報をベースとした構築法および観点を考慮した場合の類似度計算法について主に研究した。前者については、各種電子化文書(新聞記事、辞書、インターネット情報)を対象とした、共起情報獲得用ツールを構築した。後者については、観点の属性の属性値を考慮し、非線形的に比較単語の属性値を強調する計算法を開発した。また、概略推論において直接利用する常識知識ベースについては、国語辞書の語義文からの知識獲得法について研究した。これまで、数種の表現パターンからの自動獲得法を開発し、約2000個の簡単な知識を獲得している。
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