2003 Fiscal Year Annual Research Report
非同心円環アレイ型音源による無回折超音波ビームの放射方向可制御化に関する研究
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15560355
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Research Institution | Toba National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
増山 裕之 鳥羽商船高等専門学校, 電子機械工学科, 助手 (90334052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 孝一 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (50241790)
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Keywords | 超音波ビーム / トランスデューサアレイ / 円環アレイ / 非回折ビーム / 方向可変 / 偏心 / ベッセルビーム / 空隙 |
Research Abstract |
本研究では、非同心型円環アレイによる音源を構築することによって、無回折で伝搬する超音波ビームの形成を行ない、さらに、その放射方向を可制御とすることを目的としている。 その過程において、本年度においては、まず、円環アレイ状音源を構成する個々の音源要素の形状・配置についての検証を行ない、隣り合う各々の要素の間に空隙が存在する円環アレイにおいて、この空隙を利用してアレイの各要素を偏心させる、偏心円環アレイを用いることによって、ビーム放射方向を変化させることが可能となることを確認した。 数値計算を用いた確認の結果より、アレイ要素数が10、最外要素の中心半径が10波長の場合では、最大で約15度、音軸からずれた方向に、細い幅を保ったビームが放射可能であることが示された。また、アレイ要素数が5、最外要素の中心半径が5波長という、少数要素の場合においても、最大で約8度、音軸からずれた方向に、幅の細いビームが放射可能であることが示された。 また、音源の各要素における偏心の割合を変動させた場合に及ぼされる、形成されるビームの形状への影響についても検証を行ない、ビームの到達距離については、音源の各要素における最大・最小偏心率の平均値を、全要素の偏心率とした場合と概ね一致したビームが得られていることが確認されたが、ビーム形状に関しては、若干のずれや曲がりが確認された。各々の場合について検討した結果、アレイにおいて、比較的内側に位置する要素の偏心率の変動は、音源から近い距離におけるビーム形状へ与える影響が大きく、音源からの距離が離れるほど、比較的外側に位置する要素の偏心率の変動が影響する、と考えられる結果が得られた。 関連して、測定実験を行なうための手段としての、音源製作の手法についての検討を継続するとともに、音源によって形成される音場を測定する手法についても、並行して検討を継続している。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 増山裕之: "円環アレイによる放射方向可変型音源"超音波テクノ. 16(予定)(印刷中). (2004)
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[Publications] Hiroyuki Masuyama: "Effect of decentering ratio of elements in a variable radiation direction sound source on beam profile"Acoustical Science and Technology. (予定)(印刷中).
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[Publications] Hiroyuki Masuyama: "Effect of Decentering Ratio Fluctuation of Annular Array Element in Direction-Variable Type Sound Sources"Japanese Journal of Applied Physics. 43(予定)(印刷中). (2004)
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[Publications] Hiroyuki Masuyama: "Correspondence between Individual Decentered Element and Alteration of Beam Direction in Annular Array Sound Source"Proceedings of 18th International Congress on Acoustics. 1. 671-674 (2004)
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[Publications] Tomohiro Ezure: "Optical Measurement of Sound Fields with Diffraction-Effect Using Mach-Zehnder Interferometer"Japanese Journal of Applied Physics. 42・12. 7599-7600 (2003)
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[Publications] 江連朝寛: "マッハツェンダ干渉計を用いる複数の光干渉像から推定する音場計測"電子情報通信学会論文誌. J86-C・12. 1324-1330 (2003)
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[Publications] 根本学: "マッハツェンダ干渉計を用いる超音波ビームの可視化"第32回光波センシング技術研究会講演論文集. 197-202 (2003)
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[Publications] 根本学: "マッハツェンダ干渉計を用いる複素音場の測定"第24回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演論文集. 209-210 (2003)
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[Publications] 増山裕之: "円環アレイ要素の偏心率変動が放射方向可変ビームに及ぼす影響"第24回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演論文集. 17-18 (2003)
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[Publications] Tomohiro Ezure: "Optical Computerized Tomography System for Visualization of Sound Fields Using Mach-Zehnder Interference Images Detected by Charge Coupled Device"Proceedings of The Fifth World Congress on Ultrasonics. 1245-1248 (2003)
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[Publications] 工藤功介: "少数の音響センサで実現する反射音利用の空間温度分布測定"VS Tech 2003 振動・音響新技術シンポジウム講演論文集. 144-147 (2003)
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[Publications] 増山裕之: "円環トランスデューサアレイによる放射方向可変型音源"VS Tech 2003 振動・音響新技術シンポジウム講演論文集. 140-143 (2003)
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[Publications] Koichi Mizutani: "Visualization of Ultrasonic Beam Using Michelson Interferometer"Japanese Journal of Applied Physics. 42・5B. 3072-3075 (2003)