2003 Fiscal Year Annual Research Report
不等間隔標本化定理に基づく軟組織用高速高精度X線CT画像再構成システムの開発
Project/Area Number |
15560356
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐々木 公男 筑波大学, 機能工学系, 教授 (90016767)
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Keywords | 不等間隔標本化定理 / X線CTの画像再構成 / CT画像再構成法の高精度化 / 空間周波数情報の推定 / 逐次処理によるCT画像再構成の高速化 |
Research Abstract |
今年度の研究・計画に基づき、(1)耐ノイズ特性に優れた空間周波数情報推定法と(2)逐次並列処理に基づく画像再構成時間短縮法の開発、並びに(3)高速DSPボードを用いた開発画像再構成法各部の個別実装試験を行い、以下のような実績が得られた状況にある。 (1)については、各投影角度ごとに1次元離散フーリェ変改を行い、得られた空間周波数スペクトルの絶対値より高域ノイズレベルを推定し、これより有意な低域空間周波数情報を利用して画像再構成を行うことにより、物体の吸収率分布と検出信号対雑音比にもよるが、相対RMS誤差で約7dB〜12dB程度の再構成精度を向上できるという成果が得られた。(この成果を第51回応用物理学連合学術講演会にて発表する) (2)については、(1)投影データを採取しつつ、上記(1)の成果も含めて空間周波数情報を逐次メモリに一旦蓄積し、得られた空間周波数情報から逐次画像を再構成することにより、各角度ごとに利用最高空間周波数が異なる場合においても既開発の高速化アルゴリズムが適用できることを明らかにした。これを基に、目下、当該高速化アルゴリズムの並列化に取り組んでいる。 (3)については、要求される主な処理がフーリェ変換・逆変換処理であり、加重の絶対値が1以下であることから、浮動小数点型のDSPボードに比べ、固定小数点型のFPGAを用いる方が簡便かつ高速性に優れたハードウェア化が望み得るという考えをも立証すべく、小規模のテストボードと高速DSPボードの両者を用いて処理の高速化を図っている所であり、その性能比較に基づき、最終的にどちらを採用するかを決定する。
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