2004 Fiscal Year Annual Research Report
低周波収束ビームCT法による腹部組織音速映像の実現
Project/Area Number |
15560357
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山田 晃 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (20159213)
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Keywords | 超音波CT / 音響逆散乱解析 / 透過型逆散乱CT / 画像再構成 / 回折トモグラフィ / 組織定量映像 / 腹部超音波映像 / 医用超音波診断 |
Research Abstract |
本研究では、超音波腹部組織映像の実現に向けた検討を行った。そのためには、腹部体表面上で減衰することなく観測可能な受信散乱波を用いる必要であり、その対策として通常より一桁周波数の低い100kHz帯の透過型超音波観測データに基づいたCT法を提案した。その際、音波の障害物となる脊髄を通過する経路を避ける必要があることから、数十オーダの少ない数の透過散乱経路データから再現できるCT法を検討することにした。その手始めとして、100kHz帯の長波長回折領域において、狭開口送受信器間の透過位相差データ(リトフ変換データ)が、送受信器間経路上の逆音速積分に近似的に一致する事実を明らかにし、その結果をCT計算の基本モデル式として用いた。さらに、未知の画素数に比べて取得経路データ数が極端に少ない、悪条件過小決定逆問題に対処できる経路平滑化ART法を考案した。最後に、数値差分法によるシミュレーション受信データを用いて、脊髄を含む腹部模擬ファントム内2次元音速分布の画像再構成試験を行った。計算条件として、200mm×200mmの腹部対象領域を囲む体表上の16箇所に、開口10mmの送受信エレメントを配置し、送受信器の組合せ56経路の経路上で、照射中心周波数200kHzのパルス音波を送受信した場合を想定した。その結果、脊髄を避けるために観測経路数が極端に少なく制限されているにも関わらず、形状ならびに音速の再現精度ともに比較的良好な腹部音速画像が再現できる結果が示された。以上の検討の結果、腹部血腫領域の検出など大まかな音速像が求まれば良い用途に、提案法が実用的に使用できることが期待され、当初の研究目的がほぼ達成できたと考える。
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Research Products
(6 results)