2004 Fiscal Year Annual Research Report
代数的手法と解析的手法の相互補完に基づく制御理論の展開とその応用
Project/Area Number |
15560375
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 朋道 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70189463)
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Keywords | サンプル値系 / 周期時変系 / 周波数応答作用素 / スペクトル解析 / ロバスト安定解析 / Hilbert-Scbmidtノルム / 制御装置離散化 / 状態空間での計算法 |
Research Abstract |
平成16年度は,サンプル値系のロバスト安定解析,ならびに,連続時間制御装置のサンプル値周波数応答に基づく離散化手法について研究を進めた. 前者に関しては,前年度に得られたナイキスト安定判別法より導かれる"Separator"型のロバスト安定条件において,それが周期時変なSeparatorを許容することに着目し,周期時変系をスケーリングに用いることについて考察を行った.すなわち,パラメトリックな不確かさに対して,周期時変系のなかでももっとも単純なものとして,周期時変ゲインをスケーリング要素として用いた場合について,とくにそのゲインを階段関数とした場合の最適化問題が,高速サンプル・ホールド近似のもとでLMI最適化の問題に帰着させられることを示した.さらに,そのようなスケーリングを用いた解析が,パラメトリックな不確かさのもとでのロバスト安定解析における保守性を低減するのに有効であることを明らかにした. 後者については,もとの連続時間制御装置と,それを離散化した制御装置とサンプラおよび0次ホールドからなるサンプル値制御装置との誤差系を何らかの意味で小さく抑える離散化手法について検討を進めた.具体的には,この誤差系に対して適当な周波数重みをかけた系の周波数応答作用素について,そのHilbert-Schmidtノルムを各角周波数ごとにすべて最小化するような離散化制御装置が,インパルス変調公式を用いて状態空間で計算可能であることを示すとともに,そのような理想的な制御装置は,実際には非プロパーとなり実現不可能であることも明らかにした.この問題を回避してよい離散化制御装置を得る方法として,サンプル値H_2最適制御装置を利用する方法などが有効と考えられることを明らかにした.
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Research Products
(3 results)