2005 Fiscal Year Annual Research Report
線形制御性能の調整を可能にする拘束システムの制御系設計法の開発
Project/Area Number |
15560384
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
児島 晃 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (80234756)
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Keywords | 拘束システム / 予見制御 / モデル予測制御 / H∞制御 / H2制御 |
Research Abstract |
本研究では,拘束システムに対して線形制御性能の調整を可能にする制御法の開発を試み,モデル予測制御を基礎とした制御法の整備,応用的研究と評価を行なった.本年度定めた課題と成果は以下のようにまとめられる. (A)拘束システムの線形制御性能の調整を可能にする制御法の開発: 拘束を有する連続時間線形系に対して,LQ制御法を考察した.そして線形系の入出力特性を一般化した特異値分解を導き,入出力の制約を同時に考慮できる補償入力の構成法,制御器の状態設定の自由度と応答の関係を明らかにした.これらの基本的な知見を基に,現在,鉄鋼システム(熱延張力・ルーパ系)の数値例を用いた研究を展開している.線形制御領域の広さと追求する性能(例えば,2次評価関数の重み行列)については,現時点で明確な関係は得られなかった.現在,漸近的な関係を含めて検討をつづけている. (B)ハイブリッドシステムを中心とした応用分野の検討: 群集挙動を表わすモデルの構成法を引き続き検討し,避難行動等により発生する現象がモデル予測制御問題により表わされること,さらにシミュレーションに要する最適化計算において,考慮すべき制約条件が約1/3に削減できることを明らかにした. (C)サンプル時間,制御ホライゾンが指定されたモデル予測制御問題: サンプル時間の短い制御系設計を前提に,フィードバック制御と追従性能改善のための補償入力を独立のサンプル周期で扱うひとつの設計法を導いた.本結果は追従性能の改善に閉ループ系全てのダイナミクスを扱う必要がなく,(A)で導いた線形系の特異値分解により追従特性に影響する主要な入出力関係を利用するものである.これらの性質から,計算量と応答改善の精度を調整することが可能である. また(A)の基礎となるH∞,H2予見制御法の結果を発展させることにより,出力フィードバック問題の解法が明らかになった.
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Research Products
(8 results)