2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560391
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩熊 哲夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60120812)
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Keywords | 複合材料 / 有限要素法 / 森・田中理論 / 解析的平均化 |
Research Abstract |
標準的な有限要素法の剛性行列の部分に,何らかの解析的な手法による複合材料の弾性僚数を代入すると,複合材料の境界値問題が容易に解けるはずである.今年度は,平面ひずみ状態の定ひずみ三角形要素の標準的な定式化において,弾性係数を直交異方性のものに置き換え,さらに,二相の複合材料のふたつの等方弾性係数(各二つの定数)と介在物の形状比および介在物の堆積比率の,合計六つのパラメータを含む弾性係数にし,それを有限要素剛性行列に転換した.平面ひずみ状態を仮定しているので,介在物は面外には無限に長い楕円柱状のものであるため,あまり現実的ではないものの,まずこの手法の可能性と精度を確かめるために,平面ひずみにおける定式化を行った. 得られた剛性方程式を用い,まず介在物の向きがランダムな場合に,全体挙動が等方的になるかどうかを確かめることによって,手法の性能を調べた.400の異なる有限要素に対して擬似乱数で発生させた向きを与えた程度であっても,その巨視的挙動は等方性を示した. 次に境界値問題の例として,構造では梁の繊維補強のシミュレーションを,連続体では円孔周りの応力分布のシミュレーションを行った.梁の場合は,構造力学的に卓越する応力方向の繊維補強が有効であることを定量的に示すことができた.また円孔周りの応力分布については,均質化手法による解析との比較を行った.均質化手法は,複合材料の微視構造内の微視的な応力分布も予測できるメリットはあるが,その平均的な挙動については,本解析手法の結果とほとんど同じになった. このことから,平均的な挙動であれば,複合材料の微視構造をひとつひとつ要素分割しなくても,その巨視的挙動がある程度の精度で解析できることを示すことができた.
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Research Products
(1 results)