2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560391
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩熊 哲夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60120812)
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Keywords | 複合材料 / 有限要素法 / 森・田中理論 / 解析的平均化 |
Research Abstract |
今年度は弾塑性への拡張を試みた。理論的な定式化については,従来の森・田中理論のeigenひずみに塑性ひずみを付加する形で定式化が可能であった。しかしながら,国際的な研究の動向では,ここで接線剛性を用いたり,あるいは割線剛性を用いる手法が主流になりつつある。ところがそこには近似こそあれ,理論的な背景に欠けていると考えられ,その点についてかなりの時間を費やして検討してきた。その結果,別のアプローチでの検討から,弾性を基本としたBudianskyとWuのアプローチをとることにした。そのため,Eshelbyテンソルなども容易に誘導できるため,比較的簡単なステップで,弾塑性を組み込んだ要素を開発することができた。 ただし,実験との比較などで貧弱な結果しか出ないことがあることから,その原因を探ってみたところ,実際には補強材の界面でのミクロな剥離や損傷が不可欠であることがわかり,今年度は,そのもっとも簡便なWengのモデルを採用し,それを増分計算に組み込むことによって,界面剥離を考慮した,複合材料の弾塑性有限要素の開発に成功した。空孔の空いた領域の応力集中と剥離の問題を一般論として解析し,その要素の特性について考察した。トンネルを掘削したまわりの岩盤の緩みについて検討するために,この剥離モデルをあてはめてみることにした。その結果,他の既存のマイクロメカニクス的アプローチによる解に非常に近い結果を,本数値手法でも求めることができた。この解析手法では,前年度のように微視構造を簡単に変えることができることから,最適化への適用も比較的容易であるため,本研究の最終目標であった,「設計の場面で境界値問題を対象として材料を設計するツール」の基礎部分を構築できたと考えている。
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Research Products
(2 results)