2004 Fiscal Year Annual Research Report
挿入リブ鋼板型集成材桁の衝撃的曲げ脆性破壊の遅延緩和法
Project/Area Number |
15560392
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
薄木 征三 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (50006681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 文彦 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (10261596)
佐々木 貴信 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 講師 (00279514)
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Keywords | 脆性破壊 / 衝撃せん断試験 / せん断強度 / 挿入鋼板 / エポキシー樹脂 |
Research Abstract |
JIS規格に基づき、長さ×高さ×幅=40×20×25mmの鋼片に、同25×10×25mmのスギ木片を接着した供試体を多数作製し、これの静的および衝撃せん断試験を行なった。接着剤はサンスター(株)製のエポキシー係樹脂を主剤とした二液混合型であり、昨年度の本研究でせん断に対する接着能が優れていることを確認済みである。鋼片の接着面はRz80のサンドブラスト処理したものである点および樹脂層の厚さは1.5mmである点も昨年度と同様である。 昨年度の研究では、ハンマー型衝撃試験機のハンマー部に小型加速度計を接着し、試験片に衝突する前後の加速度の変化量にハンマーの質量を乗じて衝撃力を測定した。その結果、衝撃せん断強さは静的せん断強さより小さいという反常識的結果が得られ、測定方法の改良が求められた。本年度は衝撃力を直接測定する方法に変更し、そのため小型ロードセルを採用することとした。すなわち試験片下部の鋼材部分の後部に径21mm,厚さ8mmの小型ロードセル(共和電業製、型式LMR-S-SA2、容量2kN,特注)を装着し、衝撃力を動ひずみ計を介してアナライジングレコーダーで記録した。レコーダーのサンプリング間隔は20μsec,測定時間は200msとした。 繊維直角方向の衝撃せん断試験片12個の衝撃せん断強度の平均値は3.83N/mm^2となり、これは昨年度の静的せん断強度1.59N/mm^2(5試験片)の2.4倍となった。繊維方向のそれらはそれぞれ8.21N/mm^2および6.57N/mm^2であり、前者は後者つまり静的せん断強度の1.25倍となった。いずれにしても繊維直角方向および繊維方向ともに衝撃せん断強度は静的せん断強度を平均で25%以上上回った。 またいずれの方向の木破率は95%以上となったことで、挿入鋼鈑型曲げ試験桁の破壊性状は再現できなかったことは来年度の課題としたい。本研究の目的の一つである、曲げ試験桁の引張り縁側に複数の挿入鋼鈑を用いて引張り縁側の劇的脆性破壊を緩和する手法は明確な効果が認められた。来年度はさらなる追試験を行なう予定である。
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Research Products
(1 results)