2005 Fiscal Year Annual Research Report
強震時における表面波寄与率の定量的評価法に関する研究
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15560417
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
森尾 敏 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 教授 (40353289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高谷 富也 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助教授 (70179448)
加登 文学 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助手 (90353292)
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Keywords | 強震動 / 表面波 / 寄与率 / レイリー波 / ラブ波 / 分散曲線 / 位相速度 / 粒子軌跡 |
Research Abstract |
不整形地盤の地震応答解析は、通常、薄層要素法、境界要素法を含めた有限要素法解析により行われるが、この種の解析法では、実体波と表面波を区別することが困難と考えられてきた。このため、強震時の地震応答解析において、その重要性は指摘されながらも表面波の寄与に関する研究はほとんど実施されていない。本研究は、研究代表者が従来行ってきた研究を発展させ、不整形地盤の地震応答解析において実体波と表面波の寄与率がどう変化するかを定量的に評価したものである。 まず、兵庫県南部地震における神戸地域の南北断面(六甲山〜ポートアイランド〜大阪湾)を2次元有限要素法によりモデル化し、等価線形化法を用いた非線形地震応答解析を実施した。この結果、「震災の帯」と云われる六甲断層系からかなり海側によった地域で大きな応答が生じることを示した。応答解析で得られた地表面における2点間の相関解析、スペクトル解析に基づき、表面波の位相速度、群速度を算出し、粒子奇跡、地中振幅分布を求めた。並行して、「震災の帯」付近の鉛直断面において、表面波の複素固有値解析を実施し、有限要素法解析結果と比較した。この結果、「震災の帯」と云われる地帯で発生した大きな応答は、レイリー波・基本モードが支配的であることを明らかにした。更に、六甲断層系からの距離に応じて表面波(レイリー波)と実体波(P波、SV波)の寄与率の変化を検討し、「震災の帯」付近の鉛直断面におけるレイリー波寄与率は約4割であることを示した。 本解析法の根幹をなす表面波の複素固有値解析の特徴についても詳細に検討した。すなわち、新たにラブ波の複素固有値解析プログラムを作成し、想定した3種類の典型的な地盤構造において、表面波(ラブ波、レイリー波)の分散特性と実体波(P波、S波)の固有振動の関係を明確に示した。
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Research Products
(5 results)