2003 Fiscal Year Annual Research Report
硬質ウレタンを充填した鋼コンクリート合成部材の実構造物への適用性に関する研究
Project/Area Number |
15560419
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Research Institution | Takamatsu National College of Technology |
Principal Investigator |
太田 貞次 高松工業高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (20107212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 美好 山梨大学, 工学部土木環境工学科, 助手 (50162889)
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Keywords | 鋼コンクリート合成床版橋 / 現場振動計測 / 硬質ウレタン |
Research Abstract |
鋼コンクリート合成床版橋は低桁高を要求される場所で建設されることが多く、振動しやすく、振動減衰が比較的小さい橋梁形式である。しかし、硬質ウレタンを充填した鋼コンフリート合成はり部材では、硬質ウレタンの振動エネルギー吸収性能により振動減衰が大きくなることが室内実験で確認されている。室内実験の結果を受けて、実橋におけるウレタンの効果を検証するために、硬質ウレタンを充填した合成床版橋2橋と、全断面にコンクリートが充填されている合成床版橋1橋の合計3橋を対象とて振動計計測を実施した。各床版橋の緒元と計測結果を次に示す。 【硬質ウレタンを充填した合成床版橋】 八代橋(山梨県東八代郡)橋長=32.6m、固有振動数=2.93Hz、減衰定数=0.0372 堂前橋(滋賀県長浜市)橋長=24.3m、固有振動数=3142.Hz、減衰定数=0.0406 【コンクリートを全断面に充填した合成床版橋】 亀の橋(愛媛県伊予三島市)橋長=12.7m、固有振動数=7.32Hz、減衰定数=0.0246 上記3橋に対する振動計測結果から、硬質ウレタンを充填した合成床版橋では減衰定数が50%以上大きくなっていることを確認できたが、硬質ウレタンの効果は振動加速度波形においてより顕著に見受けられた。すなわち、亀の橋では振動加速度が規則的に減衰しているのに対して、特に八代橋の振動加速度波形では唸り現象を呈しながら減衰した。以上のことから、硬質ウレタンが振動減衰を高めることが確認された。なお、硬質ウレタンは鋼やコンクリートと比較して単位体積重量や弾性係数が非常に小さいため、固有振動数に対する寄与はほとんどなく、硬質ウレタンを無視した計算でも十分な精度で固有振動数を求められることが確認された。
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