繰返し移動荷重下にある粒状構造物の力学特性の解明とその要素試験方法に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15560420
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 石川 達也 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60359479)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 関根 悦夫 (財)鉄道総合技術研究所, 軌道技術研究部軌道路盤研究室, 室長(研究職) ; 横浜 勝司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50299731) ; 三浦 清一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00091504)
• Keywords: 移動荷重 / 粒状構造物 / せん断試験 / 鉄道 / 礫材 / 繰返し塑性 / 主応力回転 / 数値解析

Research Abstract

(1)移動荷重作用下にある粒状構造物の変形挙動の解明
・2次元平面ひずみ状態を確保した1/5縮尺のバラスト軌道模型を用いて、異なる載荷方式による繰返し載荷試験を行った。その結果、移動載荷方式は定点載荷方式に比べ初期残留変位量、残留変位速度とも大きくなることがわかった。また、道床バラストの粒度分布の違いによる初期残留変位量の違いが定点載荷よりも移動載荷でより顕著に表れることから、バラスト道床の変形特性を検討する際の移動載荷の有用性が明らかになった。
・道床バラストの粒度分布を考慮した正二十角形、正五角形の道床ブロック群および、粒度分布を考慮しない幾何学的な多角形ランダム分割(ボロノイ分割)型道床ブロック群を採用した不連続変形法(DDA)の2次元平面ひずみ解析を構築した。一連の解析結果から、繰返し載荷時の道床の塑性変形挙動に対するDDA解析の有用性が示されたものの、粒子形状や粒度分布を実現象に即してモデル化することがDDA解析の解析精度に大きく影響することがわかった。
・道床バラストの累積ひずみ特性を考慮した有限要素法(FEM)の2次元平面ひずみ静的線形弾性解析を構築して、荷重載荷時のバラスト道床の弾塑性変位量の推定方法を提案した。この結果、従来の軌道構造解析手法では充分な検討が行えなかったバラスト道床の塑性変形に対する軌道構造各部材の形状効果や材料特性の影響を比較的簡易に評価できるようになった。
(2)粒状体の力学特性に及ぼす主応力回転の影響評価
・粗粒材料を対象とした直接せん断試験機として多重リングせん断試験機を試作し、種々の試験から当該試験機の基本性能を評価した。この結果、多重リングせん断試験機は粗粒材料の単純せん断試験機として有用であることを確認するとともに、同様の試験条件下にある中空ねじりせん断試験結果に対して妥当と考えられる試験結果を得ることができた。

Research Products

• [Publications] 石川 達也, 関根 悦夫, 河野 昭子, 三浦 清一: "An Estimation Method of Residual Settlement in Ballasted Track under Repeated Moving Loads"Proceedings of CBS04. (未定). (2004)
• [Publications] 石川 達也, 関根 悦夫, 河野 昭子, 小林 慶祐: "各種離散化解析手法による模型バラスト軌道の繰返し塑性変形挙動解析"地盤工学会北海道支部技術報告集. 第44号. 321-330 (2004)
• [Publications] 関根 悦夫, 石川 達也, 河野 昭子: "列車荷重を受けるバラスト軌道の繰返し塑性変形に及ぼすバラスト厚さの影響"第39回地盤工学研究発表会講演集. (未定). (2004)
• [Publications] 石川 達也, 堀田 大介, 柏谷 匡胤, 三浦 清一: "粗粒材料を対象とした単純せん断試験機の試作と性能評価"第39回地盤工学研究発表会講演集. (未定). (2004)
• [Publications] 関根 悦夫, 石川 達也, 木幡 行宏: "道床バラストの繰返し塑性変形に及ぼす移動荷重の影響"鉄道総研報告. 18・3. 17-22 (2004)