2003 Fiscal Year Annual Research Report
群杭の急速載荷模型実験による支持力発生メカニズムの解明と合理的設計法の構築
Project/Area Number |
15560424
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 亮 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30177927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 潔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20243066)
建山 和由 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10179731)
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Keywords | 群杭 / 急速載荷模型試験 / パイルド・ラフト / 鉛直支持力特性 / 支持力分担 / 3次元動的FEMプログラム |
Research Abstract |
今年度は,群杭およびパイルド・ラフトに対して急速載荷模型試験と静的載荷模型試験を実施した.それらの結果をもとに群杭とパイルド・ラフトの鉛直支持力特性を検討し,得られた知見を以下に示す. 1.全パターンに除荷点法を適用し,載荷初期の荷重-変位関係を算定した.それより,全ての群杭とパイルド・ラフトにおいて,除荷点法による算定結果は,十分精度が高いといえる. 2.杭〜杭の相互作用およびラフト〜杭〜地盤の相互作用を静的載荷と急速載荷についてそれぞれ検討した.その結果,杭本数が増えると杭一本あたりの周面摩擦力が減少するという傾向が,静的載荷と急速載荷の両方に現れることがわかった.また,杭〜杭の相互作用(周面摩擦力の低減)はラフトの支持荷重の有無や載荷速度よりも,杭本数に強く影響を受けることがわかった. 3.急速載荷試験によりラフトの支持力分担をどの程度推定できるのかを調べた.その結果,除荷点において,急速載荷と静的載荷のラフトの支持力分担率は近い値を示しており,急速載荷試験によってラフトの支持荷重をある程度推定することが可能であることを確認した. 本研究では,群杭およびパイルド・ラフトに対する急速載荷試験の適用性を検討した.その結果,周面摩擦力が降伏しない範囲の変位レベルにおいて,それらの基礎に対する急速載荷試験の適用性はかなり高いことがわかった.均質な砂地盤において行われた本模型実験の定性的な検討は,今後の群杭基礎,パイルド・ラフト基礎に対する急速載荷試験法確立への一つの材料になるものと考える. 次のステップとして,急速載荷における杭周辺地盤の塑性化や杭周面と地盤のすべりを考慮に入れた解釈法を確立する必要がある.次年度は本実験を3次元動的FEMプログラムを用いて解析し,より詳細に鉛直支持力特性を考察することによって,本プログラムの実大基礎への適用を考える.
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