2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560434
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
尾上 篤生 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (70332004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井林 康 長岡工業高等専門学校, 助手 (10321415)
藤田 豊 清水建設(株), エンジニアリング事業本部・原子力エンジニアリング部, 主査
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Keywords | 支持力 / 直接基礎 / 複合基礎 / 負の摩擦力 / 模型実験 / 軸力 / 軟弱地盤 / せん断強度 |
Research Abstract |
構造物基礎のうち、直接基礎は比較的堅固な地盤で、また杭基礎は軟弱地盤で使われる。後者は、地盤沈下による建物と地面の離隔を考慮して、構造物荷重を全て杭で支持する設計を行っている。しかし軟弱地盤が深い場合、杭工費が膨大となるだけでなく、地盤が沈下して突出杭となったとき、地盤への逸散減衰も小さく、地震時に杭頭が破損し易い。本研究では、直接基礎で十分な安全率を確保できない比較的軟弱な地盤において、常に一定の支持力を負担する支持杭を併用することによって所定の安全率を確保し、これら杭と直接基礎の相対変位を許すことによって建物と地面の離隔を防いで地震時の杭の破損も防止し、基礎工費を削減するとともに不同沈下・全体沈下の両者を低減できるメンテナンスフリーの"支持杭と地反力を併用した複合基礎"を開発することである。本研究では、建築および土木構造物に適用可能なこの新複合基礎工法を実現化した。 まず杭と直接基礎の相対変位を許す「杭頭反力調整装置」を2種類開発した。その一つは、ベタ基礎上面に固定した鉄板と、ベタ基礎と縁を切ってその上面まで貫通する杭頭に固定した鉄板とを重ねてボルトで締めた鉄板摩擦式装置である。もう一つは、杭頭を二重管とし、外管にスリットを切って二重管内のゴムセルを水または油で膨らませ、ベタ基礎下面に設けた鞘管に収めて、鞘管とスリット管の摩擦で一定の杭頭荷重を作用させる二重管式装置である。前者については室内実験で、後者については実際に現場で複合基礎を構築し、ベタ基礎の水平方向繰り返し加振によって動的な減衰を測定したところ、いずれの装置の場合も基礎スラブは地面に接して地反力が存在するので、逸散減衰は大きく、地震時の杭頭の安全性は高いことが分かった。 さらに昨年度に引き続き、模型複合基礎について、深度に伴う地反力の杭への集中度を、φ=50cm、h=100cmの大型土槽を用いた実験と有限要素法による解析によって調べたが、土に比べて剛性の大きい杭には、フルモビライズしたネガティブフリクションが作用することが分かった。従って、杭体の強度はネガティブフリクションに対する耐力があれば良いことが判明した。
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Research Products
(1 results)