粒子-流体混合系の輸送および堆積過程に関する粒状体モデルに基づく基礎研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15560443
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 牛島 省 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70324655)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 木村 一郎 四日市大学, 環境情報学部, 助教授 (60225026)
• Keywords: 固気液混相流 / 非圧縮性流体 / 粒子輸送 / 粒子移動限界 / 自由水面流れ / 流体力 / 個別要素法

Research Abstract

本研究では,流体中に含まれる固体物質(以下,粒子)の運動と輸送現象を高い精度で再現する数値解析手法を構築し,現象解明と工学的な評価に役立てる手法を得ることを目的としている.このため,本年度は粒子を含んだ非圧縮性流体から構成される場全体を連続体と考えて,これに対する数学モデルを導出した.この数学モデルをEuler格子を用いて離散化する場合の近似式と離散化式を求め,2次元場における基本的な数値解析手法を構築した.特に,離散化の際には、計算精度と質量および運動量の保存性に着目した高次精度のスキームを利用している。
本年度は,上記のような数値解析的な検討を進める一方で,解法の検証を行うたための基礎実験を実施した.粒子の初期移動過程を明らかにするための「2次元ダクト模型」と,大規模な自由水面の変形を伴う流れにおける粒子の輸送過程を把握するための「可変勾配水槽」を作成した.また,粒子移動と,粒子周辺に生ずる流体のフローパタンを計測するために,画像解析手法を構築した.
本年度は上記の基礎実験結果の一部を数値計算結果と比較することにより,解法の部分的な検証を行った.また,既往の流体力評価手法や固液混相流計算手法よりも本研究の手法が有効であり,現象評価がより適切に行えることを確認した。

Research Products

• [Publications] 牛島 省, 奥山洋平: "非圧縮性流体計算におけるC-HSMAC法とSOLA法の収束特性"土木学会論文集. 747/II-65. 197-202 (2003)
• [Publications] 牛島 省, 吉田 圭介, 竹村 雅樹, 禰津 家久: "フラックス制御を利用する移流方程式の5次精度保存形スキーム"土木学会論文集. 747/II-65. 85-94 (2003)
• [Publications] 牛島 省, 竹村 雅樹, 山田 修三, 禰津 家久: "流体力評価制度の高いDEMの提案と底質粒子初期移動過程への適用"海岸工学論文集. 第50巻. 506-510 (2003)
• [Publications] 牛島 省, 吉田 圭介, 禰津 家久: "非圧縮性混相流場に対する数値解法と水-シリコンオイル成層流への適用性に関する考察"応用力学論文集. vol.6. 891-898 (2003)
• [Publications] 牛島 省, 竹村 雅樹, 山田 修三, 禰津 家久: "多相流体に対する統一的解法に基づく移動物体周辺の非圧縮性流体の数値解析法"応用力学論文集. vol.6. 883-890 (2003)
• [Publications] 牛島 省, 奥山 洋平, 禰津 家久: "コロケート格子配置に基づく3次元非圧縮性流体の陰的計算アルゴリズムの構築とその並列化"応用力学論文集. vol.6. 185-192 (2003)
• [Publications] 牛島 省(共著): "並列計算法入門"丸善株式会社. 135 (2003)