Research Abstract |
本研究の目的は,以下に示す3つであった.目的(1)「コンテナ貨物流動に関連する船社・荷主をはじめとする関連主体の行動についての分析」に対応し,コンテナ貨物流動の現状分析および国際海上コンテナ貨物のOD量推計手法の検討を行った.コンテナ貨物流動の現状分析については,特に,1)近年増加傾向にあるわが国発着貨物の海外トランシップや,2)モーダルシフト政策を念頭に置き,背後輸送機関のうち鉄道と国内海上輸送に着目した分析,さらに,国際海上コンテナ流動のモデル化を行う上で欠かせない,3)わが国以外の各国における背後輸送環境の動向についても若干の考察を行った.国際海上コンテナ貨物のOD量推計手法については,特に,本モデルで取り扱うような地域・港湾ベースのコンテナOD貨物量については,一般にデータが入手不可能であるため,その推計手法を構築した. 目的(2)「コンテナターミナル整備の動向や港湾料金などの周辺諸国のサービス水準も組み込んだ国際コンテナ貨物流動予測モデル開発」については,当研究グループが本補助金交付前に開発した従来モデルの時間移転性について検討したうえで,ネットワーク構成や配分原理,パラメータの推計方法など様々な観点からモデルを刷新した.この結果,現状再現性が大幅に改善された. さらに,目的(3)「コンテナ貨物の国内陸上輸送に関して,大型車両の通行制限や道路ネットワークの現状,実際の輸送経路選択の状況等についての把握」については,わが国の道路を海上コンテナ積載車両が通行する場合,最近様々な改善がなされているとはいえ,「特殊車両」という扱いを受け,未だいろいろな制約が課される状況にあるなかで,特に1)物理的なボトルネック箇所の抽出とその解消効果の試算や,2)高速利用・時間分布などの当該車両に関する通行実態,3)さらに大型コンテナへの対応状況,に着目して分析を行った. なお,研究成果の詳細については,報告書を参照されたい.
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