2004 Fiscal Year Annual Research Report
ディーゼル微粒子の分布測定に基づく都市大気汚染のリスク評価
Project/Area Number |
15560468
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村尾 直人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00190869)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 幸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
山形 定 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80220242)
|
Keywords | ディーゼル微粒子 / DEP / 都市大気汚染 / 健康リスク / テープ式吸収率計 / 黒色純炭素 |
Research Abstract |
浮遊粒子状物質(SPM)による大気汚染問題は、大都市域を中心に依然として深刻な状態にあり、特にディーゼル微粒子(DEP、主成分は黒色純炭素粒子)に由来する健康(発ガン)リスクは、人をとりまく環境因子の中で最も大きいものであると推定されている。本研究の目的は、浮遊粒子状物質の構成成分として最も重要と考えられる黒色純炭素粒子について、(1)本研究班で開発した小型測定装置を用いた長期にわたる都市規模のフィールド調査を行い、その結果を用いたリスク評価および発生源同定を行うこと,(2)低公害車の導入がどの程度都市大気汚染を軽減できるかを明らかにして新たな施策提言を行うこと、にある。 本年度は、昨年度に引き続き、7月まで札幌市内の大気汚染測定局10局における観測を継続し、およそ1年間のデータを得た。観測項目は、黒色純炭素濃度、揮発性有機化合物濃度、多環芳香族炭化水素、重金属濃度などである。主な研究結果は以下のとおりである。 ・本研究班が作成したテープ式吸収率計を用いることにより、従来と比較して高い時間分解能で黒色純炭素濃度の測定が可能になった。 ・札幌市における大気中黒色純炭素濃度は秋季に高く、春季に低い傾向が見られた。 ・PMF因子分析を用いて、DEPに含まれる黒色純炭素割合、DEPのSPMへの寄与を推定した。 ・黒色純炭素の測定濃度からDEP濃度を推定し、札幌市の各観測地点における発ガン生涯リスクを推定したところ、1.7×10^<-4>〜3.7×10^<-4>になった。ただし、この値はWHOによるDEPユニットリスク(3.4×10^<-5>)を用いて求めたものである。
|
Research Products
(2 results)