2003 Fiscal Year Annual Research Report
大スパン曲面屋根の非定常空気力を考慮した応答予測と耐風設計に関する研究
Project/Area Number |
15560482
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植松 康 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60151833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 大彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90005471)
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Keywords | 大スパン屋根 / 曲面屋根 / 風応答 / 空力減衰 / 非定常空気力 / 耐風設計 / 構造特性 / 風洞実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、気流中での強制振動実験によって、大スパン曲面屋根に作用する非定常空気力の特性を把握し、それを考慮した風応答解析並びに耐風設計手法を提案することである。 先ず、既往の文献調査を行い、問題点を整理するとともに、強制振動実験装置の設計など、風洞実験の準備を行った。曲面構造の場合、レイノルズ数や表面粗度が風圧性状に大きな影響を及ぼすことはよく知られている。そこで、ある典型的な曲面構造を対象として、様々な紙やすりを用いて表面粗度を変化させ、表面粗度と風速が風圧性状に及ぼす影響を明らかにした。これによって、風速および表面粗度の観点から、より適切と思われる実験条件の設計が可能となった。 また、より合理的で実用的な設計法を提案するためには、実際に建設される大空間構造の形状や構造特性を把握する必要がある。そこで、1980年以降我が国に建設された空間構造の形状や構造特性、並びに、耐風設計の基本的な考え方について、文献調査並びに設計者に対するアンケート調査を行った。これによって、風洞実験で注目すべきパラメータとその範囲を明らかにした。また、耐風設計において空力減衰効果を導入するためには、構造物自身が持っている減衰性能を明らかにすることが必要となるため、調査結果に基づき評価式を提案した(鉄骨造のみ)。なお、この調査研究の成果は、2003年6月米国で開催された「風工学に関する国際会議」並びに日本風工学会論文集で発表した。 非定常空気力を評価するには、先ず、定常空気力の特性を明らかにすることが肝要である。円形平面を持つ陸屋根およびドーム屋根を対象として、系統的な風洞実験に基づいて風圧の特性を詳細に把握し、耐風設計のためのモデル化を試みた。一部、陸屋根については研究成果を日本建築学会技術報告集に発表した。また、2004年7月、カナダで開催予定の「BBAA V」でも発表予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Noguchi, Y.Uematsu, T.Sone: "Structural characteristics and wind resistant design of spatial structures constructed in Japan"Preprints of the Eleventh International Conference on Wind Engineering June 2-5, 2003, Lubbock, Texas, USA. Vol.2. 1595-1602 (2003)
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[Publications] 植松 康, 曽根 孝行, 野口 満美: "日本における空間構造の形状・構造特性と耐風設計法"日本風工学会論文集. 96号. 107-116 (2003)
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[Publications] 植松 康, 茂木, 剛, 本郷, 剛: "円形平面を持つ陸屋根に作用する風圧のモデル化と風荷重評価への応用"日本建築学会技術報告集. 18号. 25-30 (2003)
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[Publications] Y.Uematsu, T.Moteki, T.Hongo: "Model of wind pressure field on circular flat roofs and its application to load estimation"Preprints of the Fifth International Colloquium on Bluff Body Aerodynamics and Application, July 11-15, 2004, Ottawa, Canada. (出版予定). (2004)