2004 Fiscal Year Annual Research Report
フライアッシュを用いたコンクリートの強度発現に及ぼす養生方法の影響に関する研究
Project/Area Number |
15560484
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
桝田 吉弘 宇都宮大学, 工学部, 教授 (30272214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 成春 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (50282380)
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Keywords | フライアッシュ / 強度発現 / 湿潤養生 / フライアッシュの強度寄与率 / ポゾラン反応 / 調合設計 |
Research Abstract |
近年,地球環境を配慮した循環型社会の構築を推進する機運が高まり,石炭火力発電所から排出されるフライアッシュを利用したコンクリートを建設工事の過半を占める一般の建築工事にも利用することが求められている。しかし,フライアッシュコンクリートの初期湿潤養生条件が中長期の強度発現へ及ぼす影響については十分な解明がなされておらず,建築工事を想定したフライアッシュコンクリートの調合強度式の作成には至っていないため,一般の建築工事へ利用するのが困難な状況である。そこで本研究では,フライアッシュコンクリートの強度寄与率kに及ぼすフライアッシュの品質,コンクリートの調合および養生条件の影響を実験および解析によって明らかにし,フライアッシュコンクリートのkの推奨値を算出し,調合強度式の提案を行った。結果を以下に記す。 (1)フライアッシュコンクリートにおけるフライアッシュの各種条件下での強度寄与効果を実験し,高強度および普通強度コンクリートの強度寄与率kと初期養生条件および湿潤養生期間との関係を検討し,kに及ぼす湿潤養生の影響を明らかにした。 (2)フライアッシュコンクリートの強度発現に関する実験データを広く収集し,kに及ぼすフライアッシュの比表面積,コンクリートの単位セメント量,ポルトランドセメントとフライアッシュの質量比(C/Fa)および湿潤養生条件の影響を解析的に検討し,kはフライアッシュの比表面積が大きいほど高く,C/Faが増加すると長期材齢では増加する傾向にあり,封かんおよび気乾養生でのkは,標準養生でのそれぞれ約8眺および40〜50%になることを明らかにした。 (3)フライアッシュを添加したモルタルの強度発現は,フライアッシュを添加していないモルタルの強度発現,フライアッシュのポゾラン反応および微粉末効果による強度増進の3つを重ね合わせたもので表わせることを明らかにした。 (4)上記で得られた知見をもとにフライアッシュコンクリートの調合設計方法を提案し,フライアッシュコンクリートの調合強度から水結合材比を定めるためのkの推奨値を提案した。
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Research Products
(5 results)