2004 Fiscal Year Annual Research Report
強震を受ける鋼構造ラーメン骨組の梁端に生じる塑性変形に関する研究
Project/Area Number |
15560495
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小川 厚治 熊本大学, 工学部, 教授 (80112390)
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Keywords | 鋼構造骨組 / 地震応答 / 性能設計 / 耐震設計 / 必要変形性能 / 梁 / 柱脚 / 塑性変形 |
Research Abstract |
梁端の(巨視的)歪度履歴や応力上昇を評価するため、1次元有限要素法による非線形地震応答解析プログラムを開発した。材料の応力度-歪度関係としては、等方硬化と移動硬化の両方を同時に考慮できるように、京都大学辻文三教授らの提案するIKモデルを採用している。このプログラムによる解析結果が、繰り返し載荷に伴う曲げ耐力の上昇を含めて既往の実験値を追跡できることは確認している。 昨年度の研究で定量化した地震外乱下で梁端に想定される履歴挙動について、上記のプログラムを用いて静的繰り返し載荷の解析を行い、その結果に基づいて、最大層間変位角と梁端の応力上昇率(最大曲げモーメントと全塑性モーメントの比)の関係を数式表示した。この結果によって、地震応答解析結果における最大層間変位角と梁端の応力上昇率との関係を適切に評価できることも検証している。設計の初期段階で最大層間変位角を指定すれば、以上の研究成果によって、梁端接合部に要求される耐力を明確にすることができる。 以上に述べた梁端挙動の他、柱脚に生じる塑性変形に関しても同様の検討を行っており、柱と同程度の耐力をもつ柱脚に生じる塑性変形は,梁とあまり変わらないことなどを明らかにしている。また、本研究は、梁降伏先行型の骨組を対象とするものであるが、梁の降伏が先行させ特定層への損傷集中を抑制するために必要な柱梁耐力比に関しても検討を行った。その結果、このような損傷集中を抑制する柱梁耐力比は骨組の層数の影響をあまり受けないことなどを明らかにしている。
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Research Products
(2 results)