2003 Fiscal Year Annual Research Report
無塩化型凝結促進剤の開発と産業副産物を用いたコンクリートへの適用性に関する研究
Project/Area Number |
15560501
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅村 靖弘 日本大学, 理工学部, 助教授 (70246825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 公志郎 日本大学, 理工学部, 助手 (10312042)
露木 尚光 日本大学, 理工学部, 教授 (20059611)
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Keywords | 凝結促進剤 / 高性能AE減水剤 / 増粘剤 / 混和材 / 鉄鋼スラグ / フライアッシュ / 高流動コンクリート |
Research Abstract |
近年,高流動コンクリートに代表される高機能性を持たせたコンクリートでは,高性能AE減水剤や増粘剤などの有機化合物,さらに,高炉スラグ微粉末,フライアッシュ等の産業副産物を利用したコンクリート混和材を多量に使用している。また,高炉スラグのように鉄鋼スラグである転炉スラグ等や,一般ごみ焼却場から発生する焼却灰,下水処理場から発生する汚泥焼却灰をコンクリート材料として利用する研究成果が多く得られつつある。これらの有機物化合物や産業副産物を使用したコンクリートでは凝結遅延が問題となる。従来から良好な凝結促進剤として使用されてきた塩化カルシウムは含有する塩化物が鉄筋の腐食を誘発することから使用不可となっている。本研究は,塩化物を含まない凝結促進剤を開発することを目的としており,現在までの成果から以下のことを明らかにした。凝結促進剤の主成分となる硝酸塩と硫酸塩を構成する金属イオンの水和開始効果を比較した結果,硫酸アルミニウム(Al_2(SO_4)_2)と硝酸バリウム(Ba(NO_3)_2)を選定するに至った。次に,高性能AE減水剤添加のモルタル試験とそのセメントサスペンションの液相分析より,硫酸アルミニウム中のアルミニウムイオン(Al^<3+>)は,水和反応によりセメントから溶出するカルシウムイオン(Ca^<2+>)と反応しコンクリートの凝結を促進させる機能を持ち,硝酸バリウム中のバリウムイオン(Ba^<2+>)は,流動性を一定時間保持させるためのAl_2(SO_4)_2中のSO_4^<2->と徐々に結合し凝結反応速度を調整する機能を持つことを確認した。また,Al_2(SO_4)_2とBa(NO_3)_2の適正添加比率はモル比で1:2となり,凝結時間の短縮率は約40%となった。さらに現在は,高性能AE減水剤,増粘剤,混和材として高炉スラグ微粉末,フライアッシュを添加した高流動コンクリートに対するこの無塩化型凝結促進剤の性能評価を実施している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 林真一郎, 梅村靖弘, 露木尚光: "フライアシュを使用した高流動コンクリートの凝結促進に関する研究"第47回日本大学理工学部学術講演会論文集. 47. 554-555 (2003)
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[Publications] 柄谷 卓, 梅村靖弘, 露木尚光: "無塩化物型凝結促進剤を添加した高流動コンクリートに関する研究"第36回日本大学生産工学部学術講演会. 36. 85-86 (2003)