2004 Fiscal Year Annual Research Report
無塩化型凝結促進剤の開発と産業副産物を用いたコンクリートへの適用性に関する研究
Project/Area Number |
15560501
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅村 靖弘 日本大学, 理工学部, 助教授 (70246825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
露木 尚光 日本大学, 理工学部, 教授 (20059611)
小泉 公志郎 日本大学, 理工学部, 助手 (10312042)
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Keywords | 凝結促進剤 / 高性能AE減水剤 / 増粘剤 / 混和剤 / 鉄鋼スラグ / フライアッシュ / 高流動コンクリート |
Research Abstract |
製鋼過程で発生する高炉スラグや火力発電所から発生する石炭灰(フライアッシュ)等の産業副産物をコンクリート混和材として利用する場合,凝結時間の著しい遅延を招く場合がある。従来から,凝結促進剤として塩化カルシウムが使用されてきたが,現在,コンクリート構造物内の鉄筋腐食を誘発させるため使用できない状況にある。以上のことから,本研究の目的は,塩化物を含有しない凝結促進剤を開発することにあり,昨年の成果から,凝結促進剤の主成分として,硫酸アルミニウム(Al_2(SO_4)_2)と硝酸バリウム(Ba(NO_3)_2)を選定するに至った。今年度は,高性能AE減水剤,増粘剤,混和材として産業副産物である高炉スラグ,フライアッシュを混合したコンクリートへのこの無塩化型凝結促進剤の適用性を検討し以下のことを明らかにした。高炉スラグまたはフライアッシュを混合した場合の流動保持性能と凝結促進性能をバランスよく発揮させるためのAl_2(SO_4)_2とBa(NO_3)_2の適正添加比率はモル比で1:1.5であることを見出した。流動保持性については,1時間経過時においても凝結促進剤無添加と比較して10%程度の低下に抑えられることが明らかとなった。凝結時間の短縮率は,高炉スラグで約40%,フライアッシュで約30%となった。圧縮強度発現については,フライアッシュについては影響が見られず,高炉スラグは,材齢1日から28日間の各材齢において約20%の増加が認められた。さらに,水和促進効果に伴いセメント水和物結晶が大きく成長し,凍結融解抵抗性の低下と初期乾燥収縮量の増加が懸念されたが,凍結融解抵抗性については影響が無く,初期乾燥収縮量は高炉スラグの場合約10%の増加,フライアッシュの場合約20%の増加に止まった。以上のから,今回提案した無塩化型凝結促進剤は産業副産物を利用したコンクリートにも十分適用可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)