2004 Fiscal Year Annual Research Report
多層構造物に対するMRダンパーを用いたセミアクティブ制御の実用化に関する研究
Project/Area Number |
15560503
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
曽田 五月也 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70134351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 範生 近畿大学, 理工学部, 講師 (20298152)
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Keywords | MRダンパー / 鉄骨造建物モデル / セミアクティブ振動制御 / 振動台実験 / オイルダンパー / 摩擦ダンパー / 半サイクル入力エネルギー / 減衰性能評価 |
Research Abstract |
今年度は小型鉄骨造5層モデルのセミアクティブ免震制御を行なう事を目的とした。はじめに最大荷重が約100Nの超小型MRダンパーを設計製作し、その性能を検証した。正弦波繰り返し加力により基本特性の把握を行い、ビンガムモデルとして力学特性を模擬できる事を、ランダム加力実験等により確認した。また、3角波による定速度加力中に、電磁石への印加電流を急変する事に対するダンパー抵抗力の追従性を検討し、免震建物モデルの制御に関しては、十分な反応速度を有する事を確認した。続いて、5層の鋼製小型フレームを支持する免震層を設計製作した。実験には転がり支障を用いたが、一般的な免震建物では、積層ゴムの変形に伴うシステムの減衰定数は2〜3%であるので、実験用の転がり支障の減衰を可及的に小さくするための仕組には工夫が必要であった。鋼鉄製のV溝を同じく鋼鉄のベアリングを転がす方式を採用することで約5%の低減衰を実現した。研究の行程は若干遅れているが、現在は上部構造を剛体とした1質点モデルを用いた自由振動などによりシステムの基本性能を確認している。制振構造の基本は、外乱により建物へ入力されるエネルギーを、建物の変形や加速度を増加させることに使用されること無く消費される仕組みを合理的に行なうことである。本研究では、地震入力に対する応答の低減を目標として、建物モデルの振動半サイクル中に入力されるエネルギーをMRダンパにより吸収して、上部構造の大きな加速動応答を抑制すると同時に免震層の変形を抑える事を目的として制御を行なう。その後上部構造を5層の鉄骨造もでるに置き換える。制御方法としては古典的に適用される瞬間最適制御による効果との比較検討を行う。本提案手法の有為性は既に解析的には実証を終えているが、今後は実験によりそれを実証する。
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Research Products
(3 results)