2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560505
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
大熊 武司 神奈川大学, 工学部, 教授 (50078317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 祥一 神奈川大学, 工学部, 助手 (10343633)
片桐 純治 泉創建エンジニアリング, 都市環境技術研究所, 主席研究員
岡田 恒 建築研究所, 構造研究グループ長 (00344002)
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Keywords | 瓦屋根 / 風圧係数 / 風力係数 / 実測 |
Research Abstract |
前年度までの研究(課題番号13650643)では,実大の建物および瓦模型を用いて浮上りが生じていない瓦に作用する風圧性状を明らかにした.しかし,瓦が飛散する直前では瓦に浮上りが生じ,作用する風圧性状は浮上りが無い状態と異なると予測される.そこで,本研究では瓦が浮上った状態での瓦に作用する風圧・風力を測定し,浮上り量および瓦表面風圧から裏面風圧を推定する方法について検討する. 本年度は人工的に浮上りを設けた状態の瓦に作用する風力の測定を行った.測定は前年度まで測定を行った設備を用い,対象とした瓦はJ形瓦とF形瓦の2種類とした.瓦の浮上りは対象瓦の先端にアクリル片を挿入して設定した.浮上り量δはδ=5、15,25mmの3種類とした. 測定の結果,浮上りによりピーク風力係数は以下のように変化することが明らかとなった.(1)屋根中央の一般部および棟近傍では妻面からの風向時に大きくなる.(2)軒先部では浮上りによる変化は小さい.(3)けらば部では斜風時に大きくなる.さらに,数例の測定データを用いて屋根全体に作用する外圧変動を空間平均し瓦裏面の風圧変動の推定した.その結果,斜風時では概ね推定値と内圧測定値は良い一致を見たが,軒先からの風向では対応が良くなかった,これは,この風向では浮上りにより瓦裏面に気流が吹き込むためと考えられ,裏面風圧の過渡的な応答を考慮する必要がある. また,瓦の静的引上げ試験を実施する載荷装置の設計および製作を行った.本載荷装置は,実際の施工と同じ状態で野地板に止めつけた瓦をワイヤーで引き上げ,瓦先端に生じる浮上り変位と載荷荷重を測定する.載荷点は9点で各々独立に制御し,様々な荷重モードで載荷することができる.今後,瓦の静的載荷試験を行い,瓦に作用する荷重と浮上り量の関係を把握する.さらに,実測より得られた浮上り量と風力の関係と併せて検討し,強風による瓦の飛散モデルの構築を行う.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 丸川比佐夫, 大熊武司, 岡田 恒, 岡田創: "実大建物による屋根瓦に作用する風力に関する研究 その3 浮上りの生じた瓦の平均風圧係数、平均風力係数"日本建築学会大会学術講演梗概集. B-1 構造I. 143-144 (2003)
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[Publications] 岡田創, 大熊武司, 岡田 恒, 丸川比佐夫: "実大建物による屋根瓦に作用する風力に関する研究 その4 浮上りの生じた瓦のピーク風力係数"日本建築学会大会学術講演梗概集. B-1 構造I. 145-146 (2003)