2005 Fiscal Year Annual Research Report
アンボンド効果を利用したRC柱および耐震壁を有する構造の開発
Project/Area Number |
15560509
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
江崎 文也 福岡大学, 工学部, 教授 (90127986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 正行 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (80088640)
鄭 眞安 福岡大学, 工学部, 助手 (00330902)
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Keywords | RC柱 / アンボンド / PC鋼棒 / 残留変形 / 耐震壁 / 曲げ破壊 |
Research Abstract |
本研究は主筋にアンボンド高強度鉄筋を用いた鉄筋コンクリート柱を提案し,塑性変形後の残留変形をできるだけ押さえるRC構造の実現を目指したものである。また,主筋のアンボンド効果を利用して,側柱主筋の付着を無くした鉄筋コンクリート耐震壁を提案し,靱性に富む挙動を示す耐震壁の開発を目指したものである。本研究で得られた結果は以下の通りである。 (1)既往の実験資料に基づく曲げ降伏先行RC柱の経験部材角と残留変形角の関係 過去10年間の一定軸力下の正負繰り返し水平力載荷実験資料に基づいて,曲げ降伏が先行したRC柱の荷重変形履歴応答曲線から,経験部材角と残留変形の関係を検討し,両者のおよその関係を定量的に明らかにした。 (2)アンボンド主筋を用いたRC柱の荷重変形履歴性状 一定軸力下の正負繰り返し水平力載荷実験から,アンボンド高強度鉄筋を主筋とした場合には経験部材角が3%程度まで除荷後の残留変形はきわめて小さいことがわかった。また,主筋を柱高中間で定着すれば,多少の水平せん断力の上昇がみられること,変形の増大とともに徐々に耐力も上昇することなどがわかった。 (3)側柱にアンボンド主筋を用いたRC耐震壁の荷重変形履歴性状 一定軸力下の正負繰り返し水平力載荷実験を行い,主筋の付着の有無が耐震壁の荷重変形履歴応答に及ぼす影響を実験的に検討し,せん断余裕度が大きい試験体では,主筋の付着がないとかなり靭性が改善されることがわかった。一方,せん断余裕度が小さいと,余裕度の大きい試験体ほどの靭性の改善はみられないことがわかった。また,付着がないと柱の損傷が少なくなることもわかった。 (4)RC柱・梁十字形架構の荷重変形履歴性状 最下層十字形架構について,一定軸力下の正負交番繰返し水平力載荷実験を行い,アンボンド高強度鉄筋試験体では残留変形が従来のRC柱試験体の半分程度になること,アンボンド高強度主筋を有するRC柱が架構に組み込まれた場合には接合部や梁のひび割れの影響で柱のみの場合に比べて残留変形が大きくなること,層間変形角が2%程度まではアンボンド高強度鉄筋は弾性範囲にとどまっているが,2%を超えると柱脚部で降伏ひずみを超えたため残留変形が大きくなったことなどがわかった。
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Research Products
(5 results)